タバコ市があるアルバイ県の名産はアバカ(マニラ麻)の製品だ。戦前多くの日本人がこのアバカ(マニラ麻)をフィリピンで生産し、1万人ともいわれる日本人がミンダナオのダバオなどに滞在した。現在も日系の2世3世が多くいるが、戦後日本人であることを隠し続けていたため、苦しい生活を強いられているそうだ。
このアバカ製品はマニラ麻とも呼ばれているくらい丈夫で長持ちする。自然志向の現在にもマッチした素材だ。ハンドバッグを初め、かごや室内装飾品があるが、バッグが品数で圧倒している。私の目からするととてもしゃれたデザインが多いのだが、果たして日本女性の目からはどうだろうか。値段はほとんどが200~300ペソ程度、500円前後だ。これがマニラで買うと倍になる。日本なら5倍から10倍程度ではないだろうか。
小さめのものは3個で100ペソ程度で買うことも出来る。これをたくさん買っておいて、事務所を訪問した日本人の奥さんにプレゼントするととても喜ばれる。しかし、フィリピーナにプレゼントしても少しも喜ばれない。彼らは値段を知っていてフィリピンの田舎で作ったものなどは見向きもしない。彼らは意外とブランド志向なのだ。
近くのアバカ製品の工場を訪ねてみた。皆手作りだ。生地を編むのも昔ながらの編み機だ。もし腕に自信のある方は自らデザインして作らせて見てはどうか。日本で10倍程度の値段で売れるかもしれない。
なお、アバカとは普通の麻とは似ても似つかない植物で、バナナの一種だ。バナナより細めの樹木で、この幹からアバカの繊維が採れる。