もう一つの食糧危機2008年7月3日


 原油の異常な高騰のあおりを受け、世界的に穀物等をはじめとするあらゆる食材が高騰し、食糧危機の到来が取りざたされている。フィリピンでもガソリンがリッター当たり60ペソ(150円)にのせるなど、人々の生活を直撃している。しかしフィリピンではもう一つの食糧危機が到来しているのだ。ラプラプやマグロなどの海水魚(写真上)が半値以下に値下がりし、一方ではテラピア(写真下右)やバゴス(写真下左)などの養殖魚が倍以上に値上がりしている。それでもラプラプなどを買って食する人はまれで、ただ放棄されているという。

ラプラプ(日本名、はた)、マヤマヤなどの高級海水魚は庶民の高値の花だ

ラプラプ(日本名、はた)、マヤマヤなどの高級海水魚は庶民の高値の花だ

 その原因は、先日の台風6号(フランク)により、シブヤン海、シブヤン島沖(ルソン島、ミンドロ島、パナイ島に囲まれた内海)で大型フェリーが沈没し800 人近い死者を出したが、その遺体が回収されず、海に漂い、魚のえさになっているとうわさである。キリスト教信者が大半を占めるフィリピンでは、極端にこのようなことを忌み嫌う。そのため、マニラの市場では誰も海水魚を食べようとしないのだ。

海水と淡水の混ざった水で養殖されるバゴスは養殖魚の横綱だ

海水と淡水の混ざった水で養殖されるバゴスは養殖魚の横綱だ

 またさらに、この界隈の漁民は漁を行なうことを禁止され、その日の糧にも窮しているという。パラワン島など遠く離れた漁場で取れた魚は関係ないと思うのだが、海はつながっているから、人々は気持ち悪がって手を出そうとしない。そのため、全国の漁業関係者、おろしや小売などまでも大打撃を食らっている。ただほくそ笑んでいるのは、魚の養殖業者だ。普段はラプラプなどの海水魚の半値以下で売られているテラピアやバゴスが一気に倍以上の値をつけ、ラプラプよりはるかに高値で取引されているというのだ。

淡水で養殖されるテラピアは天候に左右されず供給され庶民の味方だ

淡水で養殖されるテラピアは天候に左右されず供給され庶民の味方だ

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