また一つマニラ名物の灯が消えた(その6) 2013年8月5日


 ここのところ、もっぱらお世話になっている花街がエイシアン・エンターテイメント・ネットワーク・マニラだが、安心、信頼、満足の3拍子そろったお店だが、その灯が消えようとしている。CIMG9736s-4先日、日曜日、客を案内して、久しぶりに覗いたところ、看板のネオンは輝いてはいるものの、ドアにはCLOSEという小さな看板が掲げられて、「消毒で臭いので今日は開けられない」と、ガードが訳の分からないことを言っていた。そのままでは、客がおさまらないので、隣のDynasty Realに行って様子を聞いてみた。

 そこのママさんの説明によると、土曜にNBI(検察庁のような組織)の手入れがあり、フロア・マネージャーや女の子、150人ほどが連行されてしまったそうだ。居合わせた客は、勘定を済ませて帰らせられ、何もなかったらしい。月曜になれば、NBIのオフィスが開くので、話がついて店も再開されるだろう、もし、そうでないと長引くかもしれない。他人事ではないので、ママさんは心配そうに話をしていた。

 そして、火曜日に様子を見に行ったら、逞しく再開していた。しかし、謹慎・自粛中で、舞台のダンスはツーピースのセクシーダンスまで、テーブルに女の子を呼ぶことはできても、それ以上のサービスは一切無し。まさに、フィリピンのナイトクラブとしては半身どころか、全身麻痺状態だ。ウエイトレスたちは「Well Come Back」と、やけに愛想が良い。店が閉鎖されてしまっては、彼らは職を失うわけで、まさに、復活を祈っている様子がひしひしと伝わってくる。店の存続は偏にわれら顧客のひいきに頼っているのだから、愛想が良くなるは当たり前だ。

 しかし、客足はまばらで、女の子の数もかつての3分の一程度、いつも10時くらいになると満員だったころが嘘のようだ。馴染みのマネージャーや女の子の話によると、かなりのマネージャーがNBIに拘束されたままヒアリングが継続しているそうで、それが無事に完了したら、元のように戻るであろうとのこと。ちなみに、席に着いた女の子は、当日、NBIの事務所に連れて行かれヒアリングをされたが、それだけで、解放されたとのこと。マネージャーはストックルームに2時間もの間、隠れていて難を逃れたそうだ。

 そうなると、可哀想なのが、女の子達だ。出勤しても、テーブルに呼ばれてドリンクのコミッションだけでは足代位にしかならない。だから、半数以上は家で寝ていたほうがましとばかり出勤しないそうだ。もっとも客足もまだまだだからバランスがとれてはいるが。

 数日後、件の客とよからぬ企みを持って、お店に行った。それは女の子をデートに誘って、外で抜け駆けをしようというものだ。収入がほとんどなくなってしまったかわいそうな彼女らを救おうといういうボランティ精神なのだが、店には少々後ろめたいところだ。

 女の子達は、二つ返事だったが、デートの当日、見事にすっぽかされてしまった。客がボランティで提案したのだから、これを素直に喜んで見せる、これもまた、彼女らの営業トークらしい。そうなると、一刻も早く、元のエイシアンの復活を願うところだ。決して、ミス・ユニバーサルの後は追わないで欲しい。

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