ある退職者の災難(8)振り込め詐欺にご注意 2016年4月29日 1


退職者の方から興奮気味に連絡があった。「格安の車が見つかった(相場80万ペソに対して25万ペソ)。これを転売すればかなりの儲けになる。ついては契約に立ち会ってほしい。持ち主が海外に移住するので緊急に現金化したいのだそうだ」。早速、相棒のジェーンとカーネルに相談したら、「それは盗品に違いない。そんなものを手に入れてしまったら、売却するときに警察沙汰になって犯人の一味として刑務所に入れられてしまうかもしれない。まさにカーナッピングの片棒を担ぐようなものだから、絶対に手をだしてはならない」と一蹴されてしまった。

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主題と同型の車、ただしこれは我が家のモンテーロの新車のとき(2010年)のもので、昨年、5年落ちを80万ペソで売却してFJクルーザーに買い換えた

早速その話を件の退職者に伝えたら、車の引渡しの当日にはなっていたが、はっと我に返った退職者は、断りのメールを入れて難を逃れた。しかし、パスポートのコピーやIDカード、それに住所も送ってあるので、なにか報復があるのではないかと、パニックに陥ってしまった。その後、詳細に話を聞くと、盗品どころか、お金だけを巻き上げるだけで車など姿かたちもない、といった新たのふりこめ詐欺であることは明白だった。手口は以下の通りだ。

1.OLX(https://www.olx.ph/)という中古品の個人売買のサイトがあって、そこにお目当ての物品(三菱モンテール2009年式、25万ペソ)を見つけて仲介人にコンタクトを取った。

2.仲介人からは詳細な引渡しの条件、お金の支払い方法、契約書、販売者のパスポートコピーなどが送られてきて間違いのない取引と信用できそうだった。

3.引渡し条件は、売却額25万ペソのうち、24万ペソをMoney Gramで仲介者宛に送金する。車をチェックして、満足したら、残りの1万ペソの現金とMoney GramからのReference Numberを販売者に渡す。そのReference Numberがないと販売者はMoney Gramからお金を受け取れない仕組みになっているようだ。Money Gramに事前に送金することにより、買い手(退職者)は間違いなくお金を払う意図があると確認するためのものであり、決して現金取引をしないようにと仲介者は忠告している。

4.この取引を信用した退職者は、果たして車が引き渡されるか、さらに車が引き渡されないとしたら、支払ったお金、24万ペソは果たして回収できるのか、疑問を挟むことはなかった。

果たして、実際に車が引き渡されるのかどうかは、取引を中断してしまったので、確認はしていないが、見ず知らずの人間に送金してしまった暁に車がこないということになったらという最悪のパターンを前提としてものを考えると、こんな危険な取引はありえない。しかも、仲介人の住所がフランスであることから、追跡の手立ても無い。さらに、もし仮に車が引き渡されたとしても、それが盗品でないという保障もない。

疑いの目を持ってサイトを眺めてみると、OLXには怪しげなものが多い。なんだかんだの理由をつけて、まず、前金を振り込めとかいうもので新手の振り込め詐欺といえそうだ。サイトの運営者においては、この手の詐欺をサイトに載せないようふるいにかけてほしいものだ。そうでないとサイトそのものが詐欺集団のサイトになってしまい、多くの人が餌食となってサイトの信用が失墜してしまうだろう。

一方、カーナッピングが横行しているフィリピンでは、この手のシンジケートが暗躍しているので、車などの高額品の取引は、絶対に信用のできる販売者から購入すべきである。ちなみにこの退職者はアメリカ製の中古車を中古ディーラーから最近購入したが、一週間で動かなくなってしまい、踏んだり蹴ったりと嘆いている。

 


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One thought on “ある退職者の災難(8)振り込め詐欺にご注意 2016年4月29日

  • 鯨仙台

    この手の話は枚挙にいとまがありませんが、転売という発想に貧困を感じます。日本国内ですら詐欺という言葉が常態化していますが、外国在住でビジネス視点ではなく一過性の儲け話しに興味を示すことなど最も避けるべきことで高年齢になれば日常に刺激を求めるのでしょうか。
    不幸な人ができなくて良かったですが、米国製の中古車という発想も古き良きアメリカなのかもしれませんが、数十年前の厚木で米国人の友人がこのトヨタはよく走ると言ってベコベコの15年物に乗っており驚きましたが、当時から既に品質面では日本製の優位だったのでしょう。