OPC(One Person Corporation、一人会社)は不法就労の救いの神になるか 2019年7月21日


最近、とみにマニラ新聞の一面をにぎわせているのが、AEP(Alien Employment Permit、就労許可証)の話題だ。7月12日 新たに「無異議証明」の取得義務付け 「データベースで一元管理も」、7月14日「入国前の取得の選択も促す」規則明確化で「言い訳なし」に、とますますAEP取得の義務付けを厳格化する方向だ。

これは、大量の中国人が観光ビザで入国して、AEPを取得しないで、そのままオンライ・カジノや建設現場など 不法就労をしていて、逮捕・収監・本国送還という事態が頻発しているためだ。

そんな折、あおりを食らっているのが、退職ビザを取得して、働いている、ないし働こうかとしている日本人だ(私もその一人だが)。AEPを取り巻く環境が激変して、一体どんなプロセスを経てAEPが発行されるのか右往左往させられ、まるで暗中模索の状態だ。

さらに、 個人的に自宅で日本から仕事を請けて働いている日本人だ。従来はAEPを取らなくても、フィリピンで給与をもらっているわけでもないから、大丈夫だろうと考えて、多くの方が、自宅で密かに業務にいそしんでいる。

しかし、昨今の新聞紙上をにぎわせている逮捕・収監・本国送還・AEP取得の厳格化・言い訳なし、などという言葉を見ると 「果たして自分は不法就労なのだろうか」と、不安になる。かといって会社勤めをしていないのでAEPも申請できない、しかし、現に仕事をして収入を得ているのだから立派に就労しており、納税義務もある。なんとも悩ましい状況だ。

参照ブログフィリピンで就労する時は、就労許可証(AEP)が不可欠 2018年7月12日

そんなわけで、DOLE(Department of Labor and Employment、労働雇用局)に直接問い合わせてみると、「まず、AEPを申請してみろ、その上で必要かどうか判断する」とつれない返事。フィリピンで務めている会社が無いからAEPを申請することができないので聞いているのに、まず申請してみろでは、何のアドバイスにもならない。

かと言って会社を興して、それを根拠にAEPを申請するにしても 5人の役員をそろえて、SEC登録、BIR税務登録、ビジネスパーミットなどハードルが高すぎる。従業員は自分ひとりだけの個人事業なのに、だ。

そんな折、そんな宙ぶらりんの状況を解決するためか、会社法が大幅に改訂され、外国人が一人で起業することが可能となった。 OPC(One Person Corporation, 一人会社)の場合、100%外資となるため、おのずと外資規制のない業種に限定され、フィリピン人に限定される業種ではないことが条件、IT関係、輸出専用、などがそれにあたる。下記は従来の会社とOPC(一人会社)の比較表だが、 まさに個人企業にうってつけの制度だ。

2019年5月1日施行

因みにOPCを設立してAEP取得までの流れとしては下記となる。

1.OPCの設立:通常の会社の設立のようにSEC(証券取引委員会)に登録する。株主、発起人は本人一人。なお、一般の会社と同様、毎年、GIS(General Information Sheet)の提出が義務付けられている。

2.BIR(税務署)への届出:月ごと、4半期ごと、年度末に納税の義務があり、毎年、年度末に会計監査報告書( FS、Financial Statement、会計監査報告書) の提出が義務付けられている。

3.ビジネスパーミットの取得:市役所で取得するが、毎年更新が必要。

4.AEPの取得:OPCの役員という資格でAEPを申請するが、毎年ないし3年ごとに更新が必要。

なお、会社のオフィサーとして財務役(Treasurer)と秘書役(Secretary)の任命が必要で、会計士などをパートタイムで任命して上記のSEC、BIR、市役所の諸手続きを担当させることが賢明かつ必須であろう。

なお、執務場所と会社の登記、報告は必ずしも同じでなくてもかまわない。例えばセブで執務して、会社はマニラにあるなどということも可能だ。会社登録上の事務所はバーチャルオフィスを格安でレンタルすることも可能。そうなると、会社設立、運営はマニラ在住の当方が担当して、執務はフィリピンのどこでも好きなところでという芸当が可能だ。


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