レッドリボンが不要になった 2019年7月14日 2


日本で作成された無犯罪証明書などの公文書は、外務省の公印確認を経てフィリピン大使館で領事認証を受ける必要があった。いわゆるレッドリボンというやつだが、それが5月14日から不要になった。これは、ビザの申請、婚姻など、外国人がフィリピンで行なう諸手続きにおいて、いわば画期的なできごとなのだが。

レッドリボンと呼ばれる領事認証は今時いかにも大げさな書類だった

5月、休暇を満喫している最中にSRRV申請の準備をしている方から、無犯罪証明書を外務省に持って行ったら、「公印確認はできない、代わりにアポスティーユを発行する。その後、レッドリボン(フィリピン領事認証)が必要かどうか、多分必要ななくなったのだと思うが、提出先に聞いて欲しい」といわれたが、どうしたらいいのか、と問い合わせがあった。

注: アポスティーユ とは、ハーグ国際私法会議で締結された外国公文書の認証を不要とする条約が定めているもので、駐日領事(フィリピン大使館)による認証に代わり公文書に外務省、公証人役場等が実施する付箋による証明のこと。

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フィリピン外務省発行のレッドリボンを廃止する公告

いつもならすぐにPRAに飛んで行って情報を集めるのだが、休暇中とあってそれもかなわない。しかも休暇あけにデンゲに罹患して寝込んでしまい、いかんともし難い状況に陥ってしまった。

休暇あけにふらふらしながらPRAに行ってヒアリングすると、確かにレッドリボンはもはや必要なくなった、アポスティーユがあれば問題ないとのこと。しかし、別の退職者はすでにフィリピンに来ていて、従来どおり無犯罪証明書を日本大使館で認証(印章証明)してもらおうとしている。大使館の認証も従来どおり受け付けてもらえるのかという質問に、PRAの担当者もよくわからない様子で、「多分大丈夫」と頼りない返事だ。一方、大使館でヒアリングしてみるとアポスティーユは日本大使館ではできない、ただし印章証明は従来どおり行なうとのこと。それが受け付けられるか、提出先(PRA)に聞いてほしいとのこと。これで当面は大丈夫そうだ。

しかし、6月24日、マーケッター会議においてPRAから重要な発表があった。それは、「従来の日本大使館で認証(印章証明)された、あるいは発行された書類は2019年9月1日以降受け取らない」というのだ。

規則は規則といった雰囲気で、なんともお役所風のお触れだ

PRAの担当者は、すべての提出書類(無犯罪証明書、戸籍謄本、年金証書)について日本の外務省でアポスティーユをもらってくれば問題ないではないかと気楽にいう。

しかし、無犯罪証明書は英語でも書かれているので問題ないが、戸籍謄本や年金証書は日本語だけなので、英語の翻訳をつけて、アポスティーユを取らなければならない。従来、これらの文書の翻訳と大使館/比外務省認証は、ほとんど当方が行ってきたが、翻訳文書が日本でどのように扱われるか、定かでない。

そこで外務省にホームページを隅から隅まで細かく調べてみると、さらっと、翻訳文書付きの公文書は私文書扱いになると書かれている。因みに私文書は、まずは公証役場で公証して、それから法務局経由で外務省へ持ち込まなければならない。公証役場などには、ほとんどの人が行ったことがないし、そのコストと手間と精神的苦痛は計り知れないものがあり、退職ビザ申請をギブアップさせるに十分な代物ものだ。参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000609.html

このことは何も退職ビザの申請に限ったことではなくて、フィリピン人との婚姻手続き、各種長期ビザの申請、相続手続き、等々あらゆる局面で日本人の身分証明(出生、婚姻、死亡、独身証明)など、日本大使館発行の証明書が受け付けられないということになり、著しい支障になると考えられる。

10年ほど前に、従来、NBIクリアランス(フィリピンの無犯罪証明書)で退職ビザが取得できたものが、日本から無犯罪証明書を取得して、しかもフィリピン大使館でレッドリボンを取得して来いというお触れがPRAからでた。東京と大阪の2箇所しかないフィリピン領事館からレッドリボンをもらうには、外務省も含めて、3回通う必要があり、地方在住の申請者には過酷な要求だった(現在は郵送で受け付けているが)。そこで日本大使館とPRAに働きかけて、フィリピンでも認証ができるようにしたのだが、そんな事態の再来といえる。

話題になっている麻薬戦争やインフラ投資などにとどまらず、相続における税務署の納税証明書/登録許可証の廃止(TRAIN LAW)、一人会社の創立(会社法の改正、別途報告予定)、ネガティブリスト(外国投資の制限)の緩和など、いまだ80%台の高支持率を維持するドテルテ大統領の指導の下、立て続けの行政改革は目を見張るものがある。しかし、その余波が当方には、とんだ災難として舞い込んでしまった。

PRAとしては相変わらず申請者が増加傾向にあるので、日本の退職者を切り捨てることになったとしても構わないと思っているのではないかとさえ感じるが、日本向けのビザ案内を本業としている当社としては存続の危機にあるとさえ言える事態なのだ。

そこで、大使館とPRAに働きかけて、戸籍謄本をそのまま日本の外務省でアポスティーユを取得して、その翻訳はフィリピンでやって日本大使館で認証してもらう、という手順を両者に認めてもらおうと画策しているが、今のところ大使館からは梨のつぶてだ。


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2 thoughts on “レッドリボンが不要になった 2019年7月14日

  • haruchan61

    ついにフィリピンはハーグ条約に加盟したんですね。
    その結果、領事認証に応じなくなってしまったとのことなので、もしかすると翻訳証明もリジェクトされるかもしれません。
    私文書認証はかえって面倒になりましたね。
    東京・神奈川・大阪はワンストップサービスがあって少しマシですけれど
    何しろちょっとした書類でも翻訳認証は費用がかかりますし
    まだレッドリボンを取ってくる方が楽だと思います。
    一難去ってまた一難、苦労が続きますね。

  • shiga Post author

    ご無沙汰しています。
    デンゲに罹患されたとか・・その後いかがでしょうか?
    ご自宅付近で罹患されたのでしょうか? お見舞い申し上げます。
    最近ラグナでも流行っているとの情報もあり、気にかけています。

    さて。掲題の内容は対象は日本人だけではないのでしょうが、申請者の多くは英語圏で書類が英語で発行されるので問題ないという事なのでしょうか?
    公証役場手数料は基本手数料と外国文認証で合計11,000円で、役場の所在はどうやら県内の主要都市のみ, 宮城県でも4都市程度ですね。

    また、フィリピン人との婚姻手続き、各種長期ビザの申請、相続手続き、等々あらゆる局面で日本人の身分証明(出生、婚姻、死亡、独身証明)など、日本大使館発行の証明書が受け付けられないとはマニラの領事館だけでは済まない(日本での対応が必要)ということなのですね。

    大使館から制度変更の注意事項として何か無いのでしょうか。
    ことによると、PRAからの脱退も簡単ではなくなるのでしょうか。また、当人が死亡した場合にはもっと面倒なことになるのでしょうか?
    なんだかややこしいことになりましたね。
    引き続き、情報を宜しくお願いします。

    KUJIRA