アヤラ・トライアングルの電飾ショー見物 2017年12月10日


いよいよクリスマスシーズンに突入して、街はせわしなくなってきた。キアンの聖体式のお祝いを兼ねて週末に天天火鍋で食事を取り、その向かいのアヤラ・トライアングルの電飾ショーを見物に行くという予定を楽しみにしていた。当日、ママ・ジェーンとパパ・カーネルは朝から出かけていて、夕方になってやっと連絡があって、6時に天天火鍋で待ち合わせる、渋滞で、迎えに戻ってくる時間がないと言うのだ。ちょっと、癪にさわったが、キアンとクッキー、それにヤヤ二人を連れて外へ出たはものの、コンドの入り口にはタクシー待ちの人が並び、グラブにアクセスしても周囲に全く空車が走っていない。

土足でレストランのテーブルにのせて歩行訓練とは行儀が悪いが、こうやって見るとクッキーもかなりの重量級だが、もっともキアンは、はるかに重量級だったが

しばらくして、ジェーンからもグラブが全くつかまらないので、近所の新装の韓国料理店ソールに場所を変更すると連絡があった。そこなら、歩いて10分ほどだ。キアンの案内で到着してみるとまだ改装中で営業しておらず、歩いてその辺のレストランを探す羽目になった。幸い、5分ほどのところに大型の食べ放題の炭火焼レストラン(Charaptor、ジュピターのTong Yang/東陽のような店)があったので、そこでカーネルを待つことにした。しばらくして、レストランから呼び出され、これから車に乗って、天天火鍋に向かうという。ジェーンは、ソールがまだやっていないことについて、キアンを聞こえよがしに責めていたが、どうもソールが開店しているとう情報はキアンだけによるもので、確かめてもいなかったらしい。

メインはアラヤトライアングルの電飾ショーなので食事はバーベキューと味噌汁であっさり済ませた

最近は、舌なめずりをしながら何でも興味を示すクッキー

この渋滞のさなか、再度マカティを横切って天天火鍋まで行ったのでは、いつ夕食にありつけるか見当がつかないので、結局、炭火焼で食事をとることにした。一人490ペソで食べ放題と言っても、皆、ダイエット中で大食いは敵だ。したがってアラカルトからバーベキューセットと味噌汁を選んだので大人5人+子供二人、ビール3本で1500ペソで済んだ。しかし、年末のせいかこんな中心街からのはずれのレストランでも、かなりの客でにぎわっていた。

CHARAptorという店の名前は恐竜の名前をもじったものらしいこの時間ほとんどの客は奥の部屋にいるが、もう少し立つと外の席も一杯になるのだろう

そのまま帰るものと思っていたが、食後、予定通り、アヤラ・トライアングルに向かった。マカティの中心街を横断する3本の大通り(アヤラ・アベニュー、マカテイアベニュー、それとパセオデロハス)に囲まれた三角地帯の中は、証券取引所とアヤラの本社ビルがあるだけで、残りは広大な緑地なっている。いずれにせよ、年末の夜の楽しみは苦痛が伴うのは止むをえないこととあきらめて、向かうことにした。

途中、マカティ中央警察署や消防所の前を通ったが、ご他聞にもれず電飾が施されている。ちなみに、カーネルにここの署長になるという話があるらしい。そうなったら、マカティでは向かうところ敵無しだ

アヤラ・アベニューの中央分離帯には隙間なく電飾が施されている

クリスマスが近づくと、そこに電飾で飾って、音楽に合わせて点灯するという一大電飾ショーが繰り広げられるのだ。ここ、2~3年、ご無沙汰していたが、カーネルに車の番をしてもらって、いざ出陣となった。メインの目的はクッキーがクリスマスの飾り付けに殊の外興味を示すので是非見せてやりたいという親心だ。

電飾ショーが始まる頃には、トライ・アングルは人であふれかえっていた

30分毎にショーがあるようで、丁度8時前だったので、しばらくしてショーが始まった。キアンとクッキーが喜んだのは言うまでもないが、一方、ヤヤ二人が交代でクッキーを抱いていて、かなり疲れた模様だった。その後、さらにシャングリラ・ホテルに向かったのだが、これが、ビールを三杯飲んでちょっと酔っていた私には苦痛だった。

一体何事が起ころうとしているのか理解に苦しむクッキー

見たこともない電飾にクッキーは目を丸くしているキアンもご機嫌で興奮気味だ

シャングリラに行った時はアイスクリームを食べるのが楽しみのキアンは、それを思い出して、アイスクリームだけ食べるという約束を両親からとりつけた。しかし、ロビーの大半はカーテンで仕切られ、中で歌謡ショーをやっていて中に入ることはできなかった。キアンはそれであきらめていたと思ったが、大間違いだったようだ。

アニメの飾り物だけという貧弱さだったがさすがシャングリラだけのセンスはある

クヤ・キアンは、いつもたたかれながらも、クッキーをよく面倒見る

入り口の飾り付けで延々と続く写真撮影にいい加減飽きて、階段に座って待っていると、キアンが涙ぐみながらやってきた。ママ・ジェーンがキアンをたたいたというのだ。写真に夢中のママ・ジェーンは、キアンが飽きてしまって、写真に入りたがらないのを叱責したらしい。フィリピーノの写真好きにはほとほと参るが、その思いはキアンも一緒なのだろう。

順番待ちの人などお構い無しに手をかえ品をかえ、写真をとりまくるロビーのショーの音楽に調子を合わせて踊るクッキー

延々と続く写真撮影に、キアンはほとほと飽きてしまったようだ

車に乗ってからもキアンは私に抱かれながら涙ぐんでおり、家に戻れば、冷蔵庫にアイスクリームが二つあるからとなぐさめた。そして、家に戻って寝る準備をしていたら、ママ・ジェーンからメッセージが入った。「キアンが、たかがアイスクリームのことで泣いている、こんな軟弱な子供に育ったのは、ダダ(私)が可愛がりすぎるからだ。カーネルも腹を立ててキアンをたたいている。あしたからは、なるべくキアンと一緒にすごすようにするから、ダダは、キアンから距離をおいてほしい。ソニー・タブレットも貸すのをやめくれ」と。

一体、何を言っているのか理解に苦しんだが、ホテルでたたかれたり、アイスクリームを食べ損なったりして、キアンは大分ご機嫌斜めで、両親をにだだをこねたらしい。それが両親の機嫌を損ねたようで、私に跳ね返ってきたのだ。私としても、この日のアレンジの悪さには、少々腹を据えかねていたのだが、キアンは、それを代弁したらしい。私としても、いつも土日は、キアンやクッキーを人任せにして二人で出かけて夜までもどらないくせに、しつけが悪いのを(私は悪いとは思わないが)他人のせいにするなんて、くそったれと思った。しかし、キアンを人質にとられているので、文句を言うとキアンに八つ当たりされそうなので、黙って床についた。とにかく、気に入らないことがあると、自らが反省することなく、誰彼となく他人のせいにするという傾向は、悪さをしても決して謝らないという性癖と共通する典型的フィリピーノ気質の一つだ。

そして、翌朝、6時を回った頃にジェーンから電話が入った。キアンが大泣きしているから電話に出てくれという。一体何事かと、キアンから話を聞くと、ダダが外国へ行ってしまうという悪夢を見たというのだ。決してキアンを残して外国には行かないからと慰めてもしばらくはめそめそしていた。なんともかわいらしいところなのだが、そこにはキアンのしたたかな作戦が隠されている。この一件により、キアンの周囲にくすぶっていた険悪なムードを一掃し、彼にとっていかにダダ(私)が重要かということを両親に再認識させたのだ。もちろん意識して演じたのはなかろうが、本能的にそんな芝居が打てるというところが、キアンが天才的、あるいは神がかっているところなのだ。

 

 

 

 

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