KIAN、6回目の誕生日とフィリピーノの無くて七癖 2016年4月6日


先日、卒園式を終え、この日、3月31日はKIANの6回目の誕生日、そして6月からはいよいよ小学校だ。小学校は名門男子校ドン・ボスコに通うことが決まっている。毎週、土曜日、食事をとるマカティ・スクエアの至近距離、いわば、彼のショバで、通学も問題ない。一時は、マカティの北方、ダスマリニャス・ビリッジにある名門校サン・アガスティン・スクールあるいは、ボニファシオのインターナショナル・スクールに奨学生(学費が高すぎてとても払いきれないので)として通う話もあったが、朝夕の通学に運転手付の車が必要とあって断念した(スクールバスも使えるが、あちらこちらから生徒を拾い、朝夕、2~3時間かかるというのでは、とてもKIANにはとても耐え切れない)。

この日は、田舎から遊びに来ている子供達、それにメイド二人も含め、家族勢ぞろいの11名て誕生会を定番の天々火鍋で挙行した。KIANは興奮気味で明日も誕生会をやってほしいと主張していた。

誕生会は、それだけのことだが、我が家の最近の話題を提供する。どっちかといえば小言だが、今のところKIANはやりたい放題のちびっ子ギャングだが、ママ・ジェーンのしつけも厳しくなっており、思いやりが合って礼儀正しい、そして国際人としての常識をわきまえた子供に育ってほしいと願う。フィリピン流は、外国人にはかなり理解しがたいところがあるので、外国人と接したとき、お互いにギャップが大きすぎる。だから、フィリピン流だけがすべてではないということも覚えてほしい。

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右上KIANの顔は興奮の極地だ(テーブルの向こう側左端のKIANの顔に注目)

フィリピーノの七癖、その1.フィリピーノタイム この日、誕生会のために出かける時間になっても誰も外に出てこない。特にメイドの二人は、一緒に出かけるということさえも知らされておらず、結局、私は外で30分も待たされる羽目になってしまった。これはいつものことで、約束した時間に出かけるのではなく、約束した時間に準備をはじめる、だから遅れるのはあたりまえ、遅れて何が悪い、という発想がある、報連相(ホウレン草)の欠如、そしてフィリピーノ・タイムのダブルパンチだ。ただ、その辺のいい加減さがストレス・フリーの社会のゆえんなのでもあろうが。当方にとっては、逆にストレスが絶えない。

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KIANの4人家族、ジェーンのお腹の中にもう一人子供がいる

その2.フィリピン流食事法 ご飯にスープや料理のたれをかけて味付けをして、もっぱらご飯をかき込むのがフィリピン流食事法だ。おかずは一切れの魚か肉あるいは野菜で十分だ。それを習ってか、KIANは、ご飯にしょうゆ(キッコーマン)をかけて、手でつまんでたべる(手で食べるのはカマヤンといい、フィリピンでは正統な食べ方)。ママ・ジェーンが塩分のとりすぎと、とがめると、KIANは食事ができなくなってしまう。あるとき私も真似をしてみたら、キッコウマンご飯は確かにいける。

KIANの主食はラーメンと焼きそば。最近までインスタントラーメンを常食にしていたが、これについてもママ・ジェーンからクレームがついた。このようなインスタント食品は添加物の宝庫だから、KIANの健康に良くないと。だから、冷凍の生めんとたれを日本食材店から買い求めて料理した。インスタントラーメンの味になれたKIANはちょっと不満げだが、なかでも豚骨スープは大いに気に入ったらしい。

しょうゆかけご飯かラーメンが用意されると、次に大声で注文するのがWATER with ICE(氷水)で、氷がないとKIANは我慢できない。天々火鍋でKIANが食べるのは、ヌードル、ライス、それにイカボールだけで、一皿ずつを独り占めにする。もちろんWATER with ICEは欠かせない。

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左が農場から応援に来たヤヤ・ミッシェル、真ん中が新人のヤヤ・LC

その3.メイドの流儀 前のメードがいなくなってしまったために、ホリーウイーク明けに、ビコールの農場にいたメイドと見習いを連れてきた。メイドが変わるたびにイラッとすることがいくつかあるが、今回も例外ではなかった。

①風呂場にある洗濯かごにたまった洗濯物をメイドが洗濯場に持っていくのだが、その後、決して洗濯かごがもどらない。したがって新しい洗濯物は床に放り出す羽目になる。洗濯かごがもどるの数日後だが、場合によってはそのまま戻ってこないこともある。

②部屋のゴミ箱がいっぱいになっても、なかなか捨ててもらえない。たまに片付けてくれたと思うと、ゴミ箱が戻ってこない。あるいは、別の場所に戻されてしまい、見つからないので、床にごみを捨てるはめになる。

③私は濡れた足でタイルの上を歩くのがいやなので、トイレにおいてある足拭きマットを、シャワールームのすぐ外においている。それをわざわざ、トイレの外、部屋の中に置きなおす。それがフィリピンの常識らしいが、何度、トイレの中に入れても、翌日は外に出ている。

④洗濯された衣類、タオル、くつしたなどは、置き場が決まっている。それをメイドが変わると、自分の好みでどこにでも戻す。だから、服を着ようと思って、どこにあるかわからず、部屋中を探すことになる。

⑤私は寝る時、目枕をする。いろいろなものを試したが、普通のタオルの特に長いのを鉢巻のようにするのが一番心地よく、やすらかに眠りに入ることが出来る。しかし、これが一本しかなく代わりがない。夜、寝ようとするとその目枕がない。メイドが気を利かせて洗ってしまったのだ。しかし、その代わりをおいておくような気遣いはあるわけではなく、眠れぬ夜をすごすはめになる。

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夏休みで遊びに来ているヤナ(左)とジェムジェム(右)中央がアリア

その4.食べるときは早い者勝ち 料理が出てくると真っ先に手を出すのが、居候の双子の片割れのアリアだ。言い方は悪いがこの家族では一番順位が低いはずなのだが、食べることだけには積極的で、すばやい。 フィリピンの食卓は、おかずやご飯が大きなお皿に大盛りになって出てくる。それをめいめいのお皿にとって食べるので、早いもの勝ちになる。中華料理などで は主人が客にとってあげたり、その時の主賓に先にとるよう勧めるが、彼女は、我先に手を出す。日本食では、定食などを、それぞれが注文するが、人が注文した ものまで、注文した本人が食べ始める前に横からはしやフォークが出てくる。食事は 一家だんらんのときというよりも、いかにさっさと食事にありつくか、サバイバル合戦のようだ。

KIANは王子様だから、自分の好みのラーメンなどを別途に作らして、独り占めしている。許可なしにKIANの食べ物に手を出したら大事(おおごと)になるので、誰も手を出さないで、KIANが自発的に分けてくれるのを待つ。早く、 KIANも、皆と同じもを食べるようにしつける必要はあるのだがKIANの偏食はなかなか手ごわい。

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息子も農場から出てきていてKIANの誕生会に参加した

その5.家族は何でも共有 私が部屋にいない間、部屋は、子供達の遊び場になっている。部屋の中がしっちゃかめっちゃかになっていることもたびたびだ。TVは消してあっても、つけてみるともとのチャンネルのまま、なにをしていたか一目瞭然だ。これは子供だけに限らず、大人も私の部屋でTVを見た後、元に戻しておくなどということはありえない。部屋や階段の電気もいつも付けっぱなしなし、ものが壊れたら直さず、ほっておく。

ところがある日、事務所のパソコンにパスワードが設定され、他の人間がログインできないようになっていた。いつも、そのパソコンを使っているアリアが、いつしか自分のものと錯覚して独り占めしようとしたらしい。それに怒ったアテ・キムは逆にパスワードを設定したアリアが使えないようにしてしまった。

どうも、家庭内では他人のものも自分のものも区別がなく、家にあるものはすべて自分に所有権があると思っているらしい。したがって、お金を渡す(あげようが、貸そうが、預けようが)と戻ってこないということが頻発する。フィリピーノにとって、いったん自分が手にしたものは、もはや所有権が発生するらしい。私の部屋もTVも子供達との共有らしい。

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誕生ケーキはDaddy、Mommy、Ate KimそれにKukie(クッキー)となっている。クッキーは近い将来生まれてくる子のあだ名だ

その6.報連相が苦手 先日、私の息子が車をこすってしまい、修理することになった。このときたまたま田舎から出てきていた元運転手のボボイに聞くと、2~3日で直るという、それで、金、土、日を割り当てて、翌月曜には使えるはずだった。この日は客が来るので車は必須だった。プエルガレラに出かけていた息子も戻って運転してもらう段取りもした。日曜の午後、そろそろかと思いボボイに聞いてみると、修理は水曜までかかるという。ペイント修理の箇所が多いから当然と言って、へらへらと笑っている。

なぜ、それをはじめに言わないのかと、腹が立つことしきりだ。携帯でなにか聞いても、都合の悪いことは無視される。話の途中で中座したら、続きを聞きにて戻ってこない。なんともはや、まともにコミュニケーションがはかれない。要は、言いにくいこと、つまらない話は、シカとしてまう、それが無駄な争いをさけるフィリピン流会話術ではあるのだが、その辺のあうんの呼吸を会得するのはなかなか容易ではない。

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ハッピーバースデイの歌声にあわせてろうそくを吹き消す、この一瞬がKIANは大好きだ

その7.ポイ捨て天国 天々火鍋での食事を終えて外に出ると、ビルの入り口にカップめんやコーラなどの入れ物が散乱している。ここでたむろしていた連中がごみをそのままにして立ち去るところだった。土曜あるいは日曜の朝など、近所のトロトロ・レストランの近くを歩くと、夜半そこで若者がたむろして、飲み食いのごみを散乱せている状況に遭遇する。家でも、スリッパの脱ぎ捨て、菓子の包装のポイ捨て、などなど散らかしっぱなしが日常だ。

もちろん清掃員やメイドなどの片付け役がいるので、しばらくするときれいになるが、フィリピンは実にポイ捨て天国で、そこには何の罪の意識は無いようだ。このことは、フィリピン人最大の欠点と言っても過言ではない。ちなみにKIANのポイ捨て癖は、半端ではなく、私が老骨に鞭をうって部屋の中に残されたお菓子の包装紙を拾いまわっているのが現状だ。居候のいとこのお姉さんたちも片付けようとはしない。もっとも本人も一緒になってポイ捨てをしているようだ。

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