銀行口座のジョイント・アカウント(共同名義)というものは日本には存在しないようだが、フィリピンではごく一般的に用いられる、きわめて便利な制度だ。 AND/ORアカウントとも呼ばれるが、会社の口座においてはほとんどの場合、これだ。印鑑という概念がない外国では、会社の口座からお金を引き出す場合においても個人のサインで引き出される(小切手を使うのが普通だが)。これを1名に限定しておくと、その人が出張していたり、あるいは病気で休んでいたり、さらには急死した場合など、会社としてお金が使えなくなり、会社としての機能が停止してしまう(印鑑さえあれば誰でも会社のお金が引き出せる日本とは大違いだ)。したがって、複数の人をサイナーとして指名する。当然のことながら、このサイナーの指名は役員会で決議しなければならない重要事項だ。しかし、1名のものがサイン権をもちお金を引き出せるとなると、今度は逆に会社のお金を不正に使用するというリスクが出てくる。したがって、小切手のサインは次のようにするのが一般的だ。 仮にA、B、C および D の4人にサイン権を与えるとする。小切手のサインは2名連記で行い、次の4つの組み合わせとする。普通AとBは会社の代表、一方CとDはトレジャラー(監査役)やアカウンタント(会計係)だ。これにより、会社のお金が勝手に使われてしまうことを相互に監視させようというわけだ。この場合、C and Dではおろせないのが味噌だ。 ①A and C または A and D […]