Daily Archives: August 20, 2017


兼ねてから取りざたされていた禁煙令が大統領の肝いりでいよいよ7月23日から全国的に施行された。すべての公共施設で禁煙、もちろん駅や公園、道路も含まれる。かつてマカティ市でも市条例として禁煙令が施行された歴史はあるが、いつのまにかうやむやになり徹底とは言い得ないものだった。しかしながら違法薬物の取り締まりで見せ付けられたように、世界的なブーイングにもめげない大統領の強硬姿勢からか、市民は唯諾々と従っているようだ。麻薬のように超法規的殺人とまではいかないにしても高額の罰金を課しており(一回目が5百~千ペソ、2回目が千~5千、3回目で5千~1万)街からタバコが一掃されたという感がある。 それでかわいそうなのがタバコの一本売りで生計を立てていたベンダーだ。街の人が集まるところにはかならずタバコが売りがいた。、20本入りのタバコ一箱を60ペソで仕入れて、一本、6ペソで売り、一本あたり3ペソのもうけ、一日、100本(5箱)売れば300ペソの収入となり、一家の生計をまかなっていける。禁煙令以降、これらベンダーは街から姿を消した。ちなみにサリサリやスーパーではタバコは売っているはいるが、その場では禁煙となっている。 究極の小売、タバコのばら売りは公共施設のいたるところで見られた レストランなどで喫煙室を設ければ喫煙可能だが、そこは換気装置のほかに他のエリアとは壁とドアで仕切られ、かつトータル面積の20%以下という厳しい規制があり、簡単に喫煙席を設けるわけにはいかない。どこかの国では店のオーナーの反対などで規制がとんと前に進まないがフィリピンは大統領の鶴の一声で実行され、何の騒ぎにもなっていない。レストランや喫茶店ではどこも誇らしげに禁煙の看板を掲げている。 レストランの前には誇らしげにNo Smokingの張り紙がある。ちなみにRA9211とはRepublic Act 9211の略で法令第9211号という意味 それで喫煙場所を探してみると、ほとんど見当たらない。先週、ようやく我が家のあるコンドでその看板を発見した。「Designated Smoking Area」と書かれた立て札を見て、キアンに「Designated」とはどういう意味かと聞かれて説明に窮した。日本語であれば「指定喫煙所」となるのだろうが。一方、日本たばこ産業(JT)は22日、フィリピン2位のたばこメーカー、マイティの資産を総額526億ペソ(約1200億円)で買収すると報じた。こんな状況のフィリピンでタバコ事業を買収するなんてどぶに金を捨てるようなものではないのか。いくら日本の市場が縮小されつつあるとはいえ、フィリピンは縮小どころか消えてなくなりそうな状況なのだ。 Designated SMOKING AREA(指定喫煙所)という立て札を見ることはめったにない 一方、ドテルテ大統領の施策が矢継ぎ早に発表されている。8月5日「国立大学の教育無償化」、ハイスクールまではすでに無償なのだが、国立大学まで無償にするというのだ。巷では、そんな予算はないとか、大学に進む子弟はすでに富裕であり、格差是正どころか格差を広げるだけとか意見があるが、とにもかくにも英断であることには間違いないだろう。 […]

禁煙大統領令施行される 2017年8月20日


9月3日追記 土曜のピアノレッスンの折にクリークサイドをのぞいてみると、そこかしこで開店の準備をしていた。そこには得意げに9月4日にオープンとの貼り紙があった。一方、通路沿いには大量のごみが出してあったが、あわてて退去する際、部屋に残して行ったごみを処分しているらしい。 4日(月)のオープンのために準備がいそがしい、中はきれいに片付いている 通路イ沿いには大量のゴミ袋がごみ収集車を待っている ドテルテ大統領への抗議の横断幕もはずされてホテルの看板が顔を出し、開店の準備におおわらわだ 高級カラオケ店、ファラオの看板もきれいに磨かれており開店まもないようだ ついに9月9日、ファラオも開店にこぎつけた 8月26日追記 恒例の土曜のピアノ教室のためにマカティスクエアを訪れたが、なんとマカティスクエアの裏手にあるマクドナルドがオープンしているではないか。たったの10日足らずのうちに当局とネゴをして再開にこぎつけたようだ。さすがアメリカの大資本あるいは運営会社が政界にコネがあるのか、やることが早い。 めでたく再開したマクドだが裏手の駐車場は相変わらず立ち入り禁止だ   8月16日(水)、この日は午後3時にキアンをドンボスコでピックアップしてマカティスクエアの音楽教室に連れて行ってピアノのお稽古をする日だ。最近はウオルターマートの地下駐車場は満車で駐車できないことが多く、さらにマカティスクエアとリトル東京の間の道路沿いの駐車場も工事のために閉鎖され、もっぱらリトル東京の裏手、クリークサイドの駐車場に停めるようにしていた。 この日はピアノのお稽古、学校の教科書、それにピアノの楽譜を背負ったキアン この日、どういうわけかクリークサイドの通路沿い、駐車場の反対側にはトラックが隙間なく駐車しており、一台がやっと通過できるスペースしかなかった。空きの駐車場がなくて中ごろまで進んだところで対向車が来て、にっちもさっちも行かなくなってしまった。バックするにしても狭い通路を100mほどバックしなければならない。当方にくれていると駐車場が一台分空いた。しかし、駐車場の反対側には車が駐車していて、車庫入れをするには狭すぎる。警備員の案内で試みたが、私の力量ではどうしようもない。幸い、駐車中の車のドライバーが運転を代わってくれて、うまく駐車させてくれて難を逃れた。 19日、突然の退去を終えて廃墟となったクリークサイド、この狭いところに左側が駐車場、右に路上駐車の車が並び、立ち往生してしまった […]

クリークサイドに突然の退去命令 2017年8月20日 8月26日、9月3日追記



8月30日追記 30日のマニラ新聞によると、ウーバーは29日、LTFRBに一億9千万ペソの罰金と、登録運転手に対しては約3億ペソの補償金を支払い、営業停止処分の解除され、2週間ぶりに営業が再開された。庶民にとっては、これで一安心だ。 8月27日追記 27日のマニラ新聞によると、LTFRB(運輸省陸運事業認可調整委員会)はウーバーに対して、一億9千万ペソの罰金を支払い、さらに所属の全運転手に対して営業停止期間一日当たり約1995万ペソの経済的補償を行えば処分を解除すると通告した。これに対し、ウーバーは一千万ペソの罰金を支払うと申し出ていたので、その差は数十倍に上り、ウーバーがこの通告を受け入れるのかどうかが注目されている。ちなみにウーバーの登録車数は6~7万台に上るそうで、ペナルティは一台あたり3000ペソ、補償金は300ペソで、法外とは言い難い金額だ。 8月15日早朝、日本からコンドミニアムの契約に来られた方のサポートでボニファイシオに出かけるためにジェーンにウーバー(配車アプリ)で車を呼んでもらおうとした。ところがその日の新聞を見るとウーバーに一ヶ月の営業停止命令が出たというニュースがマニラ新聞の一面で報じられていた。ジェーンは別の配車アプリのグラブで呼ぶからと大丈夫と言うので、とにかく外で車を待つことにした。ところが、外ではSRRV申請中の奥さんがたまたま日本から来ていたご主人と必死に携帯をいじくっている。空港に行く前にボニファシオの住居を見に行こうと思っているのだが、一時間待ってもウーバーもグラブも捕まらないという。 注 ちなみにウーバーとはアプリをスマホにダウンロードすることにより、近くを走っている空車が地図上に表示され、自分の居場所と行き先を入力すると値段が表示される。気に入った車をリクエストすると、何分で来ると返事が来る。無線タクシーのようなものだが、自社のタクシーだけではなくて、ウーバーに登録している全ての車が対象となる。一方、この車はタクシーではなくて、一般の車で空いている時間にアルバイトで送迎サービスをしている人達だ。 最近は、運転手がいないので自分で運転して出かけるのだが、どこに行っても駐車場を探すのが一苦労だ。先日も日本大使館でちゃんとお金を払って駐車したのに車を牽引車で持っていかれそうになって、あわてたことがある。この時は駐車係の人が必死に私を探しに来てくれて、事なきを得たのだが(駐車場料金20ペソのところをいつも50ペソ渡しているので、その恩返しをしてもらったのだが、まさに一宿一般の恩義だ)、これからは遠出はタクシーで行くことにした。そこでジェーンにウーバーのアプリをダウンロードして、わたし用に車を呼べるようにして欲しいと頼んだ。一方、これを機会に手持ちのソニーのタブレットにシムカードを入れてスマホを使えるようにして、ウーバー専用に使おうという決意もした。ジェーンは案外すばやくアクションして、自分用にウーバーを使ってみたが、早い、きれい、親切の三拍子そろったサービスと感激していた。 いつ来るかわからない空車タクシーを当てもなく待つなんてことは、すでに時代遅れでウーバーやグラブは生活必需品といっても過言ではない。昔の言葉で言えば、白タクだが、GPSとインターネットそれにスマホという最先端の技術を組み合わせ、しかも空いている車(資源)を有効活用するというすぐれもののビジネス・モデルだ。ソフトバンクの孫さんが中国の配車アプリの会社に数百億円の投資をしたというニュースがしばらく前にあったが、世界的な潮流といえるようだ。一説にはウーバーの企業価値はGM(アメリカ最大の自動車会社)をも上回る600億ドル(6兆円)を越え、空いている車をシェアするという観点から車の必要台数が激減し、世界の自動車産業の未来をゆるがしかねない代物だともいう。民泊という言葉ももてはやされているが、民泊サイトのAirbnbも同じくスマホ時代のホテル業界を揺るがしかねないすぐれもののビジネスモデルだ。 しばらくして、ジェーンもギブアップして、流しのタクシーを拾って行けと連絡してきたが、こんな状況で流しのタクシーがつかまるわけないし、覚悟を決めて自分で運転していくことにした。しかし、ボニファッシのどこなのか、駐車場はどこにあるかなど、必死の覚悟で出発した。コンドの入り口では件の奥さんとすれ違った。窓を開けて聞いてみると、ご主人はなんとかグラブを捕まえたが、ボニファシオはあきらめて空港へ直接向かったとのこと。ならば、私はボニファシオに行くので一緒にどうぞと、期せずして私もカー・シェアリングをやることになった。 久しぶりに訪問したボニファシオは新たに完成した高層ビルが異次元の様相を見せていた ちょっと遅れて目的地に到着して契約は無事に済んで、食事のあと、マカティの建設中の契約物件の下見、それに銀行に寄って、一日の予定を完了した。自分で運転するという選択肢がなかったら一大事だった。電車が4本しかなくて車に頼らざるをえない交通インフラの貧弱なマニラではウーバーやグラブの配車アプリは、まさに交通インフラの要といえるものなっていて、自家用車を減らして交通渋滞を解消する切り札といえるだろう。 LTFRB(運輸省陸運事業認可調整委員会)はタクシーなどの公共交通機関の営業免許を発行する役所だが、その命令に違反したということで営業停止命令を発行したとのこと。一方、グラブは違反をしていないとのことで営業停止を免れたそうだ。ウーバーはきっと上納金の支払いが滞らせたので、当局の怒りを買ったのではないか、あるいは、ウーバーの出資者にはノイノイ・アキノ前大統領の妹の女優、クリス・アキノが名を連ねているためというのが巷のもっぱらのうわさだ。 久々に一ドル51ペソ代をつけて、円も一万円が4600ペソ代に回復して日本人退職者には一息ついた その辺の役所の都合はどうでも良いのだが、命令の翌日、即刻実施というのは庶民を混乱に陥れるだけで、クリークサイドの立ち退き問題(クリークサイドに突然の退去命令)にせよ、どうみても庶民の都合はまったく蚊帳の外いうのが癪にさわるところだ。この辺の政府の姿勢が昨今のペソ安につながっているのではないかという気がしないでもない。ジェーンは黙っていれば、ばれることはない、だからウーバーも使えると豪語していたが、警官がアプリを使って車を呼んで、やって来たら現行犯逮捕をするというのだから、たまったものではない。しかし、一旦ウーバーの利益を被った庶民は黙ってはいないだろう。早期にウーバーが営業を開始できる日を願ってやまない。  

ウーバーに営業停止命令 2017年8月20日  8月27日、30日追記