提言・提案


年間3500万円もかかる癌の新治療薬の薬価を改訂するというニュースが流れた。このままでは健保制度が崩壊しかねないための措置だという。抗癌剤や放射線など、今までの癌の治療とは発想が異なり、人の免疫力を強化して癌細胞をやっつける画期的な新薬だそうだ。これで癌も治る病気となったと患者に希望を与えるものだ。 KIANの学校のファミリーの集いでは、私が参加することが条件だった  しかし、年間3500万円もの費用がかかり、それを健保でまかなうとなると、莫大な費用がかかり、国家財政をゆるがすものになりかねない(1000人の患者で350億円、1万人でなんと3500億円)。このお金があれば、癌患者一人当たり、100人の子供に月々3万円の手当てを支給できる。すなわち、一人の癌患者の薬代で100人の子供を養うことが出来ることになる。逆に言えば、一人の癌患者の命を100人の子供の命と引き換えに救うことになるのだ。 この日なぜか、私が片時も傍にいないとKIANはパニックに陥った  子供の貧困、子育放棄、虐待、待機児童、いじめ、などなど、子供達にとって住み辛い世の中になって来ている。少子化が取りざたされて久しいが、子供は将来の国家を担っていく根源だ。家族、コミュニティ、そして国家の資源を子供達につぎ込んで、未来のための投資するのが、そもそも人類の営みのはずだ。癌患者の命をないがしろにしてもよいというわけではないが、その代償が、社会の存続をゆるがしかねない事態になったとき、立ち止まって考え直す必要があるのではないか。 レストランMAXで好物のアイスクリームをほおばるKIAN  中学のとき、生物の定義とは、「自己の新陳代謝と子孫を残すことができること」ということを教わった。アメーバーという生物は自己増殖で命を維持できるので、別途の遺伝子を持った子孫を残すことができない。すなわち、死ぬことが無いので、進化もせず、数億年たった今も、アメーバーのままだという。すなわち、生物は子孫を残し、寿命を迎えて死ぬことがより次元の高い生につながるのだ。もし、医療の発展により、人が死ななくなったとしたら、人は生殖という行為を放棄するに違いない。そして、世の中は、何の進化もせず、何の希望もない殺伐とした世の中となり、自殺だけが死ぬ手段となり、やがて滅び去って行くのだろう。 カラオケをうれしそうに歌うKIAN  食べて寝て遊んで仕事して、そして配偶者を得て子育てするのが人生そのものだと思う。しかし、子育てを放棄する成人が、人口の多くを占める状況となっている。恋愛、結婚、家庭に興味を持てない若い男女が急増し、2030年には生涯独身で過ごす人が男で3人に一人、女で4人に一人になるとまで言われているが、死ななくなりつつある人類の兆候とも思える。 食べ放題のTong Yangでいとこのチャールズと談笑するKIAN  昨年、3人目の子供を日本で出産して、フィリピンで子育てに励んでいるご夫婦がいる。その方が、4人目の子供を妊娠したので、フィリピンで出産して、出生届けから、退職ビザの取得(同伴者として)までの手続きについて相談に来た。二人のヤヤ(子守)を雇っているが、もはや、日本で出産するなどありえないことだという。フィリピンで生活していると4人目の子供ができても、素直にそれを喜びとして受け止めることができて、堕胎などいう発想は出てこない(もっとも堕胎はフィリピンでは法律そして宗教上、許されていないが)。 クッキーに授乳するママ・ジェーン  数年前、ご夫婦それぞれ、二人づづのお子さんを同伴者として退職ビザをとった方が、お子さん達を連れて事務所を訪問した。さらにビザの申請時点で5人目のお子さんを妊娠していたので、総勢、5人のお子さんで事務所は騒然となった。しかも、さらに6人目のお子さんを妊娠中だと言っていたが、いまどきの日本では、奇跡に近いことだ。フィリピンは、国あるいはコミュニティが子育てに協力してくれるので、家族生活というものを満喫できるのだ。 我が家に授かった新しい命は家族の希望の灯火だ […]

年間3500万円の癌治療薬は人類を救う特効薬なのか 2016年12月11日


 ZAI ONLINE 橘昶の日々刻々( 2016年11月7日 http://diamond.jp/articles/-/107080)に「ヘビ嫌いと、ヘビ愛好家が唱える”ヘビ差別」解消、どちらを優先すべき?”」という興味深いブログが掲載されていた。「人間がヘビを嫌うという性癖は遺伝子レベルの本能というべきもので、どんなに教育されても変えることはできない。一方、ヘビ愛好家が動物差別撤廃を主張したため、ヘビを嫌ってはならないという風潮が世の中に蔓延したとしたら、人はその矛盾に自己を不道徳者として断罪するか、他人の差別意識を探し出して批判し、自己の正義を主張することになることになるだろう」という内容だ。そして「この寓話は何を指しているのか、自分で考えてみてください」と、問いかけている。 .  わたし自身、ゴキブリを見つけるたびに、必死に踏み潰そうとするが、虫をこうも軽々と殺戮していいのだろうか、命はすべからく尊いものではなかったのかという思いがいつもわいてくる。これも、多分遺伝子レベルの性癖なのだろうが、益虫と害虫などという区別は人間がかってにしたもので、虫にとって見れば迷惑千万な話だ。しかし、人間が、まだねずみのような動物だったころ、ヘビは捕食者であり、ゴキブリは食料を取り合う敵だったに違いない。ヘビを恐れゴキブリを憎む性癖は、まさに人間が人間になる前からDNAに刷り込まれている記憶によるものに違いない。  .  このブログの問いかけに色々なことが頭をめぐり、世の中で起こっているほとんどのことが当てはまるのではないかという気がしてきた。自己が欲するもの(ヘビがきらい)と世の中の公序良俗(ヘビ差別の撤廃)とされるものとが食い違って、自己矛盾に陥り、自己を断罪するか、他人の落ち度を責めるか、その狭間で苦しむ、それが現在社会そのものなのではないか。  . ① 電通の過労自殺が話題になっている。東大卒の美人、そして電通勤務、傍から見ればうらやましい限りの経歴だ。このニュースを見ているとき、たまたまアティ・キムが部屋に来たので説明した。彼女のコメントは「自殺するなんて馬鹿馬鹿しい、辞めれば、それでおしまいでしょ」とあっさりしたものだった。まさに、この東大卒の美人はヘビが嫌いと言えずに、自分自身を抹殺する道を選ばざるを得なかったに違いないが、フィリピーノにとっては、そんな迷いはない。 . ② 息子の友人で教師をしている人が飲酒運転をとがめられ、停職30日の処分を受けた。盗撮や買春で新聞に実名まで載せられる公務員が後を絶たない。かつては、当たり前に行われていたことが、社会から抹殺され、一生涯を棒に振るという事態になってしまう。これは、ヘビが嫌いと正直に言ってしまった報いなのだろうか、あるいは矛盾に苦しむ人たちのいけにえになったのだろうか。 . ③ イスラム教徒を忌み嫌う風潮が世の中に蔓延している。これはイスラム過激派ISなどのなせる業だろうが、善良なイスラム教徒はこれを差別として訴えている。さらに紛争が続いているイスラム教国からの難民がヨーロッパ諸国になだれ込んでいる。多くの国の指導者はキリストの教えに従って難民の受け入れを表明しているが、難民を装って過激派が入り込んでテロ活動を行うに到っては、庶民は黙っていない。果たして、イスラム教徒はヘビであり、過激派は毒蛇なのだろうか。庶民は、毒蛇を防ぐためにはへびそのものを排除しなければならないと訴える。  . ④ カロリーメートをはじめとする食品への異物混入により、数万、数十万個、さらには数百万個を越える製品が自主回収されている。たかが金属片など開けてみればわかるもので、健康に影響するものではない。従来ならば、新品に交換くらいで済んだもので、なにもすべてのの製品を回収して廃棄することもなかろうに、とんだ資源の無駄遣いだ。異物が入っていたらせいぜいお詫びに菓子折りか金一封を渡すくらいで消費者は喜ぶに違いない。これはきっと、矛盾に悩む人たちの攻撃の矛先をかわすためのものなのだろう。 […]

ヘビを嫌ってはいけないとしたら 2016年11月12日



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   トランス型脂肪酸とは、菜種油、大豆油、コーン油などの植物油に水素を添加し固化させてマーガリンなどを作る過程で発生する不飽和脂肪酸であり、天然にはほとんど存在しないものだ(トランス型とは炭素への水素結合が反対側についているのでトランスと呼んでいる)。トランス型脂肪酸は、細胞膜の形成を阻害することで、免疫異常をきたしやすく、また活性酸素が大量に発生することがわかっており、これが原因で、動脈硬化、心疾患、がん、アトピー、アレルギーなど、ありとあらゆる生活習慣病を引き起こす要因となる(自然界には存在しないので、トランス型脂肪酸を処理して無毒にする機能を人体は持っていない)。そのため、アメリカなどでは近い将来マーガリンなどの使用を禁止しようとしているが、日本では業界の抵抗で規制の動きさえない。一方、蟻やゴキブリ、そして微生物は、マーガリンを食物とは認識せず近寄らないから、逆に日持ちするそうだが、こんなものを我々はバターより健康と騙されて食べ続けてきたのだ。 街にでかでかと掲げられているフライド・チキンの看板。トランス型脂肪酸の宝庫だ 私は、もう何十年も前からマーガリンは口にしていないから、こんな話も他人事だと思っていた。しかし、最近知ったのが、マーガリンは、同方法で作られるファットスプレッドやショートニングとともに、パン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、クッキーやスナック菓子の揚げ物、さらにフレンチフライやポテトチップなどの加工食品の食感(さくさく、ぱりぱり)と保存性を高める目的で広く使われているというのだ。さらにコンビニやファーストフード店で揚げものに使われている油もショートニングが多いそうだ。だから、マーガリンを直接食していなくても日常的にトランス型脂肪酸をとって、知らぬ間に生活習慣病の準備をしていたことになるそうだ。 チキン・ジョイ(チキンのから揚げ)で一世を風靡した、子供達の憧れのジョルビーは、実は庶民の健康の敵なのか マーガリンを作る原料の大半は菜種(キャノーラ)、大豆、コーンなどを原料とする植物油だが、この植物油がてんぷらやフライ、から揚げなどに使われ、長時間空気に触れたり高温にさらされると酸化される。酸化した油を摂ると、活性酸素を作り出し、健康に良くないと言う事はもはや常識だが、揚げたり、炒めたりしてから時間のたった料理も酸化が進んでいるので要注意だ。例えばファーストフードなどで作り置きされているフライドポテトやスナック菓子などもやばい。 トロトロの売りはバナナや春巻きの揚げ物。最近街にあふれるおでぶちゃん(失礼)も、このような揚げ物が原因ではなかろうか さらに、これらの植物油の主要な成分はリノール酸であり、リノール酸は体に必要な必須脂肪酸ではあるが、取りすぎるとトランス型脂肪酸と同様な生活習慣病を引き起こす要因になるそうだ。かつては植物油は健康に良いということで、食用油といえばサラダオイルやてんぷら油などの植物油だった。したがって、食生活はこれらの油で満ち溢れており、必要とする量をはるかに超える大量のリノール酸を取り続けている。したがって我々の体は植物油(リノール酸)そのもの、その酸化物、そして加工品のマーガリンのおかげで、心臓病や癌などの生活習慣病のリスクにさらされ続けているといえるのだ。さらにこれらの植物(大豆、菜種、コーン)はほとんどがアメリカで生産された遺伝子組み換え植物であり、人体への未知の悪影響が懸念されている。 農場にはココナッツとアボカドがたわわに実り、食べ放題だ 私のこのことを教えてくれている生理学の教授は、オリーブオイルとココナッツオイルそして肉・魚の油を摂ることを推奨している。特にココナッツオイルの主成分は、母乳に多く含まれているラウリン酸で飽和脂肪酸なので熱にも強いし、直接食しても免疫力を高め、まさに奇跡のオイルなのだそうだ。それに果物ではアボカドが一番とのこと。ちなみに、わが農場には放牧した鶏やあひる、それに牛と豚、それにココナッツやアボカドが実り、私の将来の食生活は万全とほくそ笑んでいる。参考ブログ「奇跡の食用油、ココナッツオイル2015年7月13日」 農場では自然放牧の牛や黒豚を飼育している   農場の鶏にえさやりをするKIANと農場から送られてきてアヒルの卵、見てくれは良くないが、どれも貴重な自然栽培の蛋白源だ 私自身の食生活は、朝は納豆に味噌汁にたくわんと梅干、自然栽培の生卵、それに少々のご飯、昼ははつはな亭の刺身定食、夜は家で出されたフィリピン料理だが油はオリーブオイルを使っている。スナック菓子は、KIANのおすそ分け程度、ときわめて健康的だ。しかし、KIANの食事を省みると、昼は、はつはな亭で鶏のから揚げかエビフライ定食、しかもその衣しか食べずに、大量のライスを味噌汁に浸して食べている。夜は昼のから揚げの残りとライスにしょうゆをかけて食べる。おやつには日本製のスナック菓子、たまに外ではジョルビーのフライドチキンとフレンチフライとKIANには、このさくさくとぱりぱりの食感が不可欠なのだ。まさに、このブログで槍玉にあげたトランス型脂肪酸と植物油(しかも酸化した)のオンパレードだ。KIANに喜んでもらおうとしていたものが、毎日毎日、毒を食べさせていたことになってしまっていたが、これではKIANの将来はない。 揚げ物だらけのKIANの食事、これでは早死にするしかない […]

トランス型脂肪酸の恐怖とKIANの食生活 2016年8月3日


最近、生理学博士のメールマガジンで興味のある言葉が紹介されていた。それは「健康長寿、アンチエイジングの秘訣は教育と教養」という言葉だ。一体、何のことか想像がつかないが、実は駄じゃれで、「今日行く」と「今日用」、すなわち今日、行くところがあって、今日、用事があるということだ。当たり前の話だが、年を取って仕事もしなくなったとしても、体が弱ってきたとしても、毎日、行くところがあってやることがある、家庭あるいは社会生活においてなんらかの役割を持っているということが、健康長寿を実現する上で重要ということだ。たとえ100歳まで生きたとしても10年も、20年も寝たきりというのでは何の意味もない。ちなみに日本では、100歳の長寿を全うしているお年寄りの80%が寝たきりというが、それでは家庭あるいは社会に負担をかけるだけだで、逆に西洋では寝たきりは20%だそうだ。 この話をとある若い退職者の方にしたら、その方は、毎日、料理をしているという。料理は、何を作るか計画し、買い物に行って材料をそろえ、そして料理、さらに、それを家族といえるような人たちと楽しんで食べる。一つのプロジェクトが完結して、実に充実するという。しかも特に外国に居住している場合、自分の口に合うものがいつでも食べられ、フィリピン人の家族にも料理を自慢できるだろうし、また、食べることは人間の最大の本能、喜びであり、生きている証でもある。まさに一石3鳥だ。 ドンボスコの帰りにサイカで食事をするのがKIANと私の楽しみだ いくら料理といっても、それなりのテクと知識がなければ、まずくて口に入れることはできない。私としては、おいしい料理は外で楽しむことにして、仕事をしてその原資を稼ぐことにしている。しかし、それだけでは、ちょっと時間をもてあまし気味なので、KIANがドンボスコ・スクールに通い始めたのを機会に、出迎え役を買って出た。朝、6時半の見送りは、ちょっときついのでアティ・キムにまかせ、11時半の出迎えをして、そのあとランチ、さらに火曜と木曜は公文、月曜、水曜、金曜は英語の家庭教師に連れて行く。私の主な仕事は朝一で済ませて、11時にはドンボスコに向かい、午後は、公文か家庭教師、それに客との面会やデスクワークをする毎日だ。 アティ・キムは警察学校の受験のために浪人していたが、今回も失敗したので、あきらめてマプア工科大学(私立工科系大学の名門)に復帰することになり、昼間は時間がとれない。ママ・ジェーンは第2子(クッキー)を懐妊中で、動きにくい。そんなわけで私としてもKIANの出迎えという家族の重要な役割を担ったわけだ。私としてもKIANと一緒にすごせる時間が長くなるし、刺身などの家では食べられない料理を毎日食べられるし、それに健康長寿の秘訣の教育と教養で、一石3鳥となっている。 KIANも私の出迎えを毎朝「Can you pick up today」と確認に来るほど楽しみにしている。公文や家庭教師もしかりで、私が一緒に行って待っているということで、喜々として出かけていく。その時、ついでにPRAや銀行に行くのが楽しみなのだ。フィリピン人は大の子供好きだから、やんちゃなKIANはどこでも人気で、PRAや銀行に行くと方々からKIAN、KIANと声がかかる。 PRAでは職員と談笑し人気者のKIAN 受付の女の子とツーショットのKIAN、ちなみに美形のこの子はPRAの看板娘だ    そして事件が起きた。 ① KIANが公文の宿題をさぼってしまった。KIANは私に言い訳を言ってほしいとせがんだが、私は、自分で説明しろと話して、彼を教室へ入れた。私がトイレから出てくるとKIANの様子が変だ。先生に宿題のことを聞かれ、パニクッて、私に応援を求めようとしたが、トイレにいた私を見つけることができない。早速、なんとか言い訳してやったが、KIANは怒りに震え、体を硬直させている。KIANが危機的状況に陥っているにもかかわらず、私が消えてしまったことに対して怒っていたのだ。いろいろなだめたが、なかなおさまらない。大好きなタブレットを渡してゲームを始め、ようやくなんとかなったが、その日は教室に戻ることはできなかった。それ以来、公文に行くときは私はガラスドアの外に待機して、トイレにも行ってはいけないときついお達しがKIANから出ている。 […]

アンチエイジングの秘訣、教育と教養 2016年7月9日



先週の月曜のKIANのドンボスコ入学以来、私の重要な役目は毎日1130amにKIANを出迎えに行くことだ。ママ・ジェーンは妊娠5ヶ月で動きづらい、アテ・キムはジェーンや私のお手伝いで日中はマニラ中を飛び回っている。したがって私にお鉢が回ってきているのだが、朝、6時半の見送りはさすがに勘弁してもらっている(アテ・キムの役割)。朝一の用件が終わるころKIANの出迎えのため、PRAからの帰りしなにドンボスコに寄って連れて帰るという算段だ。さらに火曜と木曜は午後から公文に通っているので、ドンボスコの後サイカでランチをとり、そのまま公文にむかうというスケジュールだ。 農場から送ってきたパッションフルーツとグアバ、売り物はならない庶民のフルーツだ そして、今週の火曜14日に事件は起こった。朝一、タクシーが捕まらずPRAまで歩いた。現在ドライバーがいないので、たまにトライしている運動不足解消の一環だ。特にタクシーを待っている間(30分くらい)にPRAに到着してしまうので一石二鳥となる。さらにPRAの後は銀行に歩いて行き、その後、タクシーでドンボスコに直行した。サイカでKIANと二人きりの食事を摂り(含サンミゲル2本)、そして公文へ。そこそこハードなスケジュールだった。 同じくアヒルの卵、殻は汚いが、これがなんとも美味で毎朝生卵ご飯を楽しんでいる アヒルの卵の黄身、この黄身が見事で、茶色の部分は醤油で、まるで目玉のようだ。 3時ごろ家に戻って横になっていると、しばらくして、どうも腰が痛い。寝返りをしようとすると腰に響く。そして、その夜、ベッドに横たわったまま、体を動かすたびに腰に来るので、いささか憂鬱になった。只、幸いなのはベッドで静かに横たわっている限りは何の痛みも無いことだったが、年を取るといつ何時、こんな事態に陥るかもしれない。そうなると仕事どころではない、いよいよ現役引退、年貢の納め時と覚悟を決めた。そして、今のやりかけの仕事はどうするかなど、いろいろなことが頭をかけめぐった。 未熟のパパイヤ、これが消化や美白効果がすこぶるあり、バナナ、パイナップル、マンゴに続く4番目の南洋果物の王様だ ここ数年、すこぶる健康で、薬をとることも一切無く、持病の糖尿も食事に気をつける(炭水化物をなるべく摂らない)ことで押さえ込んでいる。そんな矢先、身に覚えのない天使のハンマーの一撃を食らってしまったのだ。これはどう見てもぎっくり腰に違いない。20代のころ、建設現場でぎっくり腰をやった経験があるが、そのときは、事務所まで戻るのに往生したものだ。それから数年の間、ガラスの腰をいたわる生活が続いた。そして今回、ベッドで横になっている間にぎっくり腰になるなんて、一体何なんだろう。これも老化現象の一環なのだろうか。パッションフルーツは農場の片隅に勝手に生えている蔓科の果物だが、3個で一ペソと見向きもされないフルーツで外見もいかにもみすぼらしい 翌朝(水曜)、恐る恐る起きてみると、腰が痛くて伸ばせない。痛みを我慢しながらゆっくり伸ばすと、その後は楽になる。しかし、また座って立とうとすると、また腰が伸ばせない。まるでへっぴり腰の老人そのものだ。これでは医者に行くしかないと算段している間に、意外と歩ける、さらに痛みも薄らいできて、症状が改善してきている。ならばしばらく様子を見よう、あえて痛み止めの薬は飲まないで、腰の状況を見守ろうという気になった。 その中身は、カリカリとした種の周りにすっぱいとろみの実がついていて、なんともいえぬ味だが健康によさそうな果物だ そして、木曜、いつものスケジュール(PRAとドンボスコ、サイカそして公文)をこなせる自信もでてきた。さらに金曜そして土曜、若干の腰の痛みも感じるが日常生活には支障がなくなってきている。我ながら驚くべき回復力(自然治癒力)だが、これぞ若さの維持(老化防止)、健康の秘訣だと実感した。高血圧、糖尿病、心臓病、脳溢血、癌を代表とする生活習慣病は自然治癒力(免疫)が不足して発症するというが、この自然治癒力は、唾液がたくさん出る、睡眠を十分とる、水分を十分取る、控えめの食事をとる、汗をたくさんかく、適切な排泄、適度なスポーツ、ストレス解消(運動と瞑想)、セックス等々、体の機能、日常の生活に由来するという。 薬に頼るのはこの自然治癒力を阻害する原因でしかなく、薬無しの生活が一番だと、ある生理学者は説いている。薬は使用を誤ると毒にもなる危険な存在だそう で、肝臓や腎臓などに負担をかけ、自然治癒力を阻害するそうだ。特に、高血圧や糖尿病等で定期的に薬を飲み続けることは、その副作用で自然治癒力を阻害す る元凶だと忠告している。 自然治癒力の維持こそが健康に長生きする秘訣なのだそうで、今後も薬に頼らない生活を続けたいと思う。しかし、いつしか自然治癒力でもってしても回復不能 […]

天使のハンマーの一撃 2016年6月18日


長い夏休みが終わり、いよいよKIANが小学校へ通うときがやってきた(フィリピンは3月から夏休みに入り、6月から新学期がはじまる)。毎日、朝の9時過ぎまで寝ていたKIANにとっては、朝の7時に始まるという授業に慣れるのは容易ではないだろう。昼から始まる午後の部を選択することもできたが、それでは時間にだらしない子供に育ってしまうと考えて、あえて午前の部を選択した。フィリピンでは子供の数は無限ともいえる状況なので、KIANが通う名門ドンボスコ・スクールでさえも二部制なのだ。 アティ・キム(中央)の20歳の誕生日はパパ・カーネルがパンシット・ビーフン(写真の右手前隅)を料理した KIANをめぐって最近、一つ問題がある。それは、KIANは毎晩私の部屋で過ごして、寝る時間(10時ごろ)、両親に呼ばれると、いやいやながらという雰囲気で降りていくのだ。これにたいしてママ・ジェーンはなぜ、ママに傍で過ごさないのかと苦言を呈す。KIANはダダ(私)の傍にいるとリラックスできるのだと反論し、口論が始まる。また、私が夜出かけたときなど心配していつまでも寝ないので、ママ・ジェーンがヒステリックな声で寝るように命令する。そんな状態だから、KIANはママ・ジェーンと過ごすのがいやで、私の部屋で過ごしたがる。まさに悪循環だが、こんなに愛しているのになぜKIANは私から遠ざかりたがるかと、彼女には理解できないし納得もできない。彼女に反発するのはKIANだけで、他の子供達(KIANのいとこ達)にとってママ・ジェーンの指示は絶対で、反発などありえないので、ジェーンは戸惑う。KIANが強気なのは、私の後ろ盾があるからであることは論を待たない。 私のベッドの上にジャンプするKIAN、手にしているのは英語読本 KIANは私の部屋でタブレットでユーチューブやゲームで遊ぶか、テレビを見ているかで、私は、逆に日本のテレビを見るか、タブレットでヤフー・ニュースなどを見て、KIANの過ごしたいように過ごさせている。たまに日本食材店で買ってきた「柿の種」を食べさせているが、KIANはことのほか日本のせんべえ菓子が大好きだ。そんな時間が双方にとって、とてもリラックスできるのだが、わがままなKIANは私にアイス・ウオーターをもってこい、時には日本のラーメンを作れと命令する。そんな時、私はせっせとKIANの言うことを聞いていやるのだが、この家で私にこんなけしからんことをリクエストできるのはKIANしかいない。  なにやらスマートフォンを一所懸命写し取るKIAN ママ・ジェーンはKIANを叱るのは、しつけと思っているが、私にとってはいじめに映る。たとえば、スリッパをはかないで家の中を歩くと、時にはピンタが飛ぶ。そうするとKIANはママにたたかれたと泣きながら私にしがみついてくる。私は、よしよしと抱きしめてやるだけだ。そうなるとママ・ジェーンはそれ以上、手を出せず、私は常にKIANの味方で避難港(HAVEN)なのだ。だから、KIANは私の傍にいると100%の安心感を抱いているに違いない。一方、ママ・ジェーンの傍にいると、罵声とピンタがいつ飛んでくるかわからず、心の休まる時は、寝ているとき以外にはないと感じているようだ。 ピアノを弾くことがなんとなく様になってきたKIAN KIANが、まだ2歳にもならないころ、近所のスーパーマーケットで私はKIANを見失ってしまった。いつも活発なKIANは吊るされた売り物の服の間をかくれんぼのように走り回っているうちに、どこにいるのかわからなくなってしまった。しばらくして大声で泣きじゃくるKIANを抱いて店員が店の中を歩き回っていた。たった数分のことだが、私とKIANはパニックとなってお互いを捜していたのだ。子供が泣いて大声を出すのは危険信号であり、周囲の人が状況を理解して救助する。親もその泣き声を頼りに子供を捜す、子供の本能ともいえるものだ。それをくだらぬことで張ったおして、泣きじゃくるとさらに罵声をあびせるなんてもってのほかだ。子供が危機に瀕したときに、追い討ちをかけるように罵声を浴びせる大人を誰が信頼できるだろうか。息子の誕生日は手作りケーキを楽しむ 親・家族は子供に対して、雨風、日差し、外界の危険を防ぐ24時間営業のシェルターなのだと、ちかごろ私は思う(固定された建築物に限らず家族と一緒にいること自体がシェルターの中にいるということ)。シェルターの中で子供は安全と安心に守られて成長していく。シェルターの中では、人同士の交流や社会生活を送っていく上でのルールを学んでいくが、それをしつけと呼ぶ。しかし、どうも世の親はしつけを勘違いしているような気がする。自分の思い通りにならないと、しつけと称してわが子をいじめる姿は、それは苛立ちを子供にぶつけているようにしか見えない。 良いこと悪いことなどは大人がかってに決めたことだから、それを子供が区別できないのは当たり前で、時間をかけて学ばせていくことが肝心だ。それを罵声とピンタで強制するのは親の身勝手であり、手抜きでしかない。それに、子供はいつも親を見ているので手本さえ示せば、自然に学んでくれるものなのだ。 画面の文字を読みながらカラオケを楽しむKIAN 親・家族のシェルターは子供のとって唯一のよりどころであって、生きていくための必須条件だ。このシェルターから子供追放することは、子供に対する死刑宣告とも言える。そんな事件が最近、北海道で起こった。ほんのしばらくといえども、子供を山中に置き去りにするなどいうことは、親の意図を押し計ることができない子供にとっては、まさに死刑宣告だ。この6日間、子供は地獄をさまよう囚人のような思いがしただろう。シェルターの中で親の加護の中で叱られるのは我慢できてもシェルターから追放されるという行為は、子供にとって生涯拭い去ることができない重い傷を心に残すだろう。この事件こそ、世の親への教訓あるいはしつけとなったに違いない。 私のタブレットを独り占めにしてユーチューブを楽しむKIAN 明日からドンボスコへ通うKIANにとっては初めてシェルターの外の体験となる。当面、送り迎えは欠かせないが、ドア・ツー・ドアの幼稚園のそれとはちょっと様相が異なる。そこで私はKIANが学校へ行っている間、携帯を持たせて、親と連絡がとれるようにと、たまたま予備としてもっていたガラパゴス携帯をあたえた。ガラパゴス携帯なら学校でゲームに夢中になることもあるまいと考えたのだが、学校では生徒に携帯の所持を禁止しており、目論見は外れた。学校は携帯の生徒に与える悪い面を危惧しているのだろうが、身の安全に関する配慮は忘れているようだ。ちなみにドンボスコはサイカとピアノ教室のあるマカティスクエアの近くにあり、KIANにとっては通いなれた場所なので、一年もすれば自力でもどってくることは出来るであろうが。 […]

家族の役割=シェルターがなかったら? 2016年6月5日



最近は、円が少し戻して(1ドル=110円前後、1万円=4100~4200ペソ)で退職者はほっとしている。しかし、かつては2万ドル=160万円程度で退職ビザが取れていたものが220~240万円、しかも、フィリピンでの生活費が1万円=5500ペソが一時は3600ペソにまで目減りしたのでは、フィリピンに住む意味が大いに薄れてしまっていた。日本の経済や株価への影響は別世界の話として、退職者にとって見れば、民主党政権時代の1ドル=80円が懐かしい。 一方、退職ビザの魅力が減って、申請者が激減している事実は、私、ビザの取得サポートを専門としているものにとっては死活問題だ。今年に入ってからは円の動向に関係のない、欧米人、インド人等の申請者が当社の顧客の3分の一を占めるにいたっているが、絶対数の減少は避けられない。しかも、円安ばかりではなく、ビザの発行期間が4週間近くになっていて、現役のかたがたのビザ取得を不可能にしている。現役の人にとって、せいぜい2週間の休暇をとるのが限度であって、4週間はありえない。したがって昨年は半数近くを占めていた現役の方の申請がほとんどなくなっている。 しかし、なぜか当方は忙しい。それは、ビザの取消、相続、ID更新、預託金の投資転換、不動産手続きなど、かつて退職ビザをお世話した方々のお手伝いが増えているからだ。その上、ビザの取消は、預託金の返却まで3ヶ月程度の時間がかかり、そのフォローアップに追われ、現状でも、約10件の取消申請が進行中だ。中々前に進まない手続きなのだが、常に頭の中は進行中の案件でいっぱいだ。したがって、私の翌日のアクションリストは20件近くにまでなっている。 ピザの宅配についてきたコーラのビンを抱いておどけるKIAN。最近、私が何歳かというKIANの質問に69歳と正直に答えると、それは死ぬ年かと済ました顔で聞いていくる。人によってマチマチで100歳まで生きる人もいると答えると、今度は日本人は100歳で死ぬのかとやり返してくる(どうも人間は一定の年になると寿命を迎えて死ぬと思っているらしい)。ダダが100歳まで生きたら、KIANは36歳になっていると話すと、24歳まででいいという。6歳になってなんとなく知恵がついてきていると思うこのごろだ。 年をとると忘れっぽくなるという、だから、毎日、アクションリストを更新して落ちこぼれの無いようにしているつもりだが、大事なアクションはやはり頭の中にしまっておかなければ適切な対応ができない。客から電話で問い合わせがあってもいちいちパソコンやメモを探していたのでは埒があかない。 PRAに行くたびに重要案件を頭の中で復唱するのだが、5~6件の懸案事項があると、どうしても3~4件しか思い浮かばない。いやもっとあるはずと思い記憶の糸を探ると、別の案件が浮かんでくるが、それで数えなおすとやはり3~4件しか浮かんでこない。前に覚えていたものを忘れてしまっていて、いつまでたっても3~4件しか浮かんでこないのだ。年のせいかなと思うが、仕事上の記憶は、いまだ周りの誰にも負けない自信がある。それは30~40代のころから変わりはないと自分では思っている。 夏休みを利用して田舎から出来ているヤナと遊ぶKIAN。もはや赤ちゃんの面影はない。 昔、人は同時に3つのことしか記憶できないという話を聞いたことがある。脳に刻まれた過去の記憶ではなく、今、動いている記憶であって、時間とともにどんどん消去されていく記憶だ(ワーキングメモリーとでも言うべきで、過去の記憶はハードディスクなどに記録されたストレージだ)。コンピューターのRAM (ランダムアクセスメモリー)のようなものだ。たしかに、3件までなら何度でも繰り返すことも出来るが、5~6件となると、その内の2件が消去、復活を繰り返してきりがない。 そこで、6件のアクションを3つに分類してみた。ビザ申請、相続、その他、の3件、そしてビザ申請はSさんとNさん、相続はKさんとHさん、その他は、TさんとMさん、要は3x2に案件を分類したのだ。そうすれば、まず、3種類の案件を思い起こして、それぞれ、二人の名前と内容を順に思い浮かべることができる。そうしたら、何度繰り返しても正確に6件のアクションを思い起こすことができたのだ。 人のワーキング・メモリーが3個までで、それ以上は消去されるものだと認識しておけば、逆に確実に記憶することができるということを今になって悟った。その証拠に電話番号など0916-543-2812などと、いくつかに区切って唱えると覚えやすい。 我が家恒例の土曜の和食レストランでの食事風景。KIANは好物のエビフライと鶏のから揚げを皿にてんこ盛にしている。 さらに、人ないし動物の五感、特に映像/イメージの記憶容量は文字/数字情報に比べて無限大ともいえる。したがってもろもろの情報を映像と関連付けると飛躍的に大量、短時間で記憶することができる。これは、多くの記憶の達人が実践していることだ。したがって、アクションが必要な事柄を場所のイメージ(PRAとか銀行など)と退職者の顔と関連付けて記憶すると簡単に脳に記録と参照が可能になる。上の例で言えば、退職庁(ビザ申請)、銀行(相続)などのイメージを思い浮かべさらに、それぞれ関係する退職者の顔を思い浮かべるのだ。そうすれば、多くのアクションも難なく記憶しておくことが出来るようだ。

人は同時に3件しか記憶できない(賢い記憶法) 2016年4月18日


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KIANは5歳半となり、いよいよ来年は小学校に入学する。ここのところ英会話の上達は目覚しいものがあり、私ごときの英語ではなかなかついて行けない(Nativeとして喋っているのだから当たり前かもしれないが)。数字も公文のおかげで100以上まですらすら数えられ、まさに幼児の域を脱しつつある。 先日も、携帯ゲームに夢中になっているKIANの体をつまんだりしてからかっていたら、KIANは癇癪をおこして「Get out from the room(出て行け)」と怒鳴られた。わたしが、「OK, I will go out(出てくよ)」といったら、思わず自分の言ったことの意味に気が付いて、あわてて私を引き止めて「Joke only(冗談)」と苦笑いをしていた。普段からママ・ジェーンに言われているのをまねしたのだろうが、まるで、大人の会話だ。 しかしながら、家庭教師までつけて、これだけの努力をしているにも関わらず、KIANの文字を書いたり読んだりする力は、いまだにきわめて低いといわざるをえない。ようやく、YES、NO、CAT、DOGなどのきわめて簡単な単語を読んだり書いたりできる程度だ。ただし、JURASSIC WORLDなど、興味のある単語はパソコンにインプットさえできる。これをやらないとお目当てのゲームを開けないからだが、少なくとも文字を書いたり読んだりすることがこれからの人生に重要な役割を担っていることを認識しているようだ。だから、パソコンの画面やちらしや本の文字を指差して、なんと読むのかと頻繁に聞かれる。いったん音声にすれば、簡単に理解できるようだ。人間はそもそも文字を直接理解する能力はなくて、音声にして初めて理解することができるそうだが、まさにKIANを通して実感できる。 寝る子は育つというがKIANは実によく眠る 一方、公文の数字の勉強は、+1や+2、さらに+3までの足し算ができるようになっている。実に簡単な計算だが、毎日毎日宿題に挑戦して、似たような問題を続けて紙に答えることはできても、言葉でTwo […]

KIANの英語と公文 2015年11月6日



最近、ビジネスチャンスをうかがってフィリピンに滞在される若い方が増えてきた。不動産取引、英会話学校、コールセンター、日本語学校、人材派遣など、日本の会社あるいは個人との取引を仲介したり、サービスを提供する業種だ。ビジネスに当たって、会社を設立したり、個人的に活動したり、その形態は様々だ。 フィリピンでは、外国人の活動が制限され、ほとんどのビジネスでは、会社の60%の株式(マジョリティ)がフィリピン人に保有されていなければならない(土地の保有もこのようなフィリピンマジョリティの会社に限られる)。ちなみに小売業/レストランの場合は100%がフィリピン資本でなければならず、したがってすべからくフィリピン人の名前を借りて営業をしなければならない。当然のことながら、両者も代表者(社長)等は、フィリピン人となり、このことが多くのトラブルを生む原因になっている。 そうなると、日本人は、会社の代表として、あるいは、小売営業などでは経営者として表に出ることができない。会社組織の場合は、少なくとも役員として経営者の一角と占めることはできるが、小売業では、被雇用者として参画するのがせいぜいだ。そんな法的制限により、日本人が、裏でビジネスを切り盛りするという違法まがいの状況が発生してしまう。 また、一方、会社あるいは個人として政府に登録しないとビジネス行為を行うこと禁止されているので、不動産仲介などにおいて、個人的な活動でに利潤を得ることはできない(フィリピン人の間では、かなり一般的に行われているようではあるが)。ただし、個人の所有するコンドミニアムなどを賃貸する場合は、特に登録しなくても大目に見られているようだ。ただし、最悪、賃貸料にVAT(付加価値税)を課せられる可能性はある。 フィリピンで仕事をする場合、6ヶ月以内であれば、入管からSpecail Work Permit(SWP、特別労働許可証)を取って就労することができる(3ヶ月有効、一回に限り延長可能)。それを超える場合は、労働雇用省(DOLE)からAEP(Alien Employment Permit 外国人就労許可証)を取得する必要がある。さらに、AEPを取得して9gビザの申請中はProvational Work Permit(PWP 暫定就労許可証)が発行されるが、3ヶ月有効で延長は不可)。これは、フィリピンの会社に雇用される場合であるが、会社の経営に参画する場合も原則同じことだ。 これらは、フィリピンに滞在するためのビザ(査証)とは別物で、SWPの場合は、9a(入国ビザ/ツーリストビザ)でOKだが、AEPを取得して長期に就労する場合は、9g(Pre-Arranged Employee Visa 就労ビザ)などの長期ビザの取得が前提だ。ただし、この場合のAEP-9gは、フィリピン人では代替できない高度な技術、日本人でなければできない仕事(日本語の教師、和食の板前など)に限られ、誰でも取得できるわけではない。要は、フィリピン人の仕事を奪うような単純労働者の受け入れを防ごうという狙いだ。 […]

不法就労の落とし穴 2014年7月19日


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最近、食の常識が覆され、今まで見向きもされなかった当たり前の食品が見直されている。カカオ(チョコレート)、コーヒー、バナナ、パパイヤ、ナッツ類などなど、そして、その際たるものがココナッツ・オイルだ。日本でも、今やブームとなっており、その効用が、Yahooのサイトでも頻繁に取り上げられている。 一方、コレステロールや血圧の上限値が上げられ、しかも脂肪の摂取や塩分の摂取と関係がないという考えが主流になっている。このため、数百万の人々が高脂血症や高血圧から解放された。そのため、悪玉の塩や脂肪が無罪となるなど、今まで唱えられきた食の常識が見直されている。そんなときに注目を浴びたのがココナッツ・オイルだ。        先日、日本に帰った折、家族に持って帰ったのが、バージン・ココナッツ・オイルだ。一リットル380ペソ(約1000円)は安くはないが。日本では格安だ。さらに、そのココナッツオイルで作った石鹸は透明でいかにも自然の手作り石鹸だが、肌に優しいと評判の石鹸だ。 10年ほど前、アメリカではバージン・ココナッツ・オイルが高値で取引されており、フィリピンで小さな工場を立ち上げたいとアメリカ人の退職者が話をしていた。その時は、半信半疑で聞いていたが、従来、アメリカでは大豆やコーンの植物油を売り込むために、ココナッツオイルのパッシングが行われ、ココナッツ・オイルは毒物扱いをされていたそうだ。その結果、植物油で揚げられたフレンチフライやポテトチップの食べすぎで、肥満や糖尿病がアメリカそして全世界に蔓延した。ところが、その後、ココナッツオイルの有用性が見直され、逆にブームとなっていたらしい。ちなみにバージン・ココナッツ・オイルとはバージン・オリーブ・オイルと同様、実を絞っただけのもっとも自然な製法によるオイルだ。 フィリピンでは、米を栽培できない斜面など、国土の大半がココナッツの木で覆われていると言っても過言ではない。ご多分にもれず、我が農場でもココナッツの木が100本ほど植えられている。ココナッツの木は、肥料もやらずにほったらかしにしておいても、数十年間、一年中、実をつけ、捨てるところがないというすぐれものの木だ。しかも、強烈な台風がきても、実と葉を落とすだけで、幹は折れず、たくましく生き続ける頼もしい存在だ。 ジェーンの保有するレガスピ市の丘の上の土地から後ろを眺めると延々とココナツ林が続く。農園のココナッツの木は、10年目を迎え、たわわに実をつけている。 ココナッツの若い実は、ブコ・ジュースと呼ばれる透明の液体で、そのまま飲むことができる。ポカリスエットをあっさりさせたようで、まさに天然のスポーツ飲料といったところだ。さらに実を割ると、内側に柔らかなゼリーのような白い実がついており、スプーンですくって食すことができ、ほの甘く子供達のおやつの定番だった。しかし、最近は、ご多分にもれず子供達はポテトチップなどのジャンクフードを好んで食べている。 ブコ・ジュースを売る屋台は街のいたるところで見かける。1個25ペソ、20年前は2ペソだったがずいぶんと値上がりしている。田舎ではこのブコ・ジュースがソフトドリンクのかわりにのどをいやしてくれる。 ココナッツは十分熟すと茶色になり、中は白い硬い実が1cmほどの厚さになる。これを細かく砕いて、そまま料理に使ったり、あるいは、水を加えて絞ってミルク状(ココナッツ・ミルク)にして料理の味付けに使う。また、ココナッツ・オイルもこの実から取れる。南の国の料理と言えば、このココナッツ・ミルクで味付けるのが定番だ。 ココナッツの実は熟すると茶色になり、料理用のココナッツ・ミルクやココナッツ・オイルの原料となる。左の写真は熟して、芽を出しているココナッツの実、右は、マーケットでココナッツ・オイルを絞っている職人さん。 農場の面倒を見てもらっているマミー(ジェーンの母親)にバージン・ココナッツ・オイルが日本で脚光を浴びている話をした。身近にあり、日常、食しているココナッツが、奇跡の食品と聞いて、マミーはご機嫌だった。 その効能と言えば、心臓病、脳溢血、認知症、糖尿病、癌などありとあらゆる生活習慣病に有効で、おまけにインフルエンザやエイズ/肝炎などのウイルス感染、さらにはアレルギー疾患にも効果があるそうだ。さらに、ダイエットばかりでなく、にきびや老人斑などの肌の手入れいにも有効だそうで、特に石鹸やシャンプーなどの薬用品の影響で潤いや感染防止力を失った肌に塗ると若々しい素肌を取り戻せるという。まさに、健康の秘訣、アンチエイジングの秘薬というものだ。 ココナッツ・オイルは中鎖飽和脂肪酸とかいうもので、酸化しにくく、高熱にさらされても変質せず、体の老化を防ぐ抗酸化作用があり、揚げ物に使っても、その効能はかわらないそうだ。価格は一般の植物油と同じ1リットルあたり100ペソ少々だが、バージン・ココナッツ・オイルとなると400ペソ程度にはねあがる。 そのため、我が家からは、大豆油やコーン油は姿を消し、料理用には無味無臭のココナッツ・オイルを使い、ドレッシングや食用にはバージン・ココナッツ・オイルを定番とした。また、以前から、ブコ・ジュースは毎日買い求め常飲することにしており、砂糖たっぷりのソフト・ドリンクは子供達を含めてご法度だ。また、私自身、毎晩、バージン・ココナッツ・オイルを体中に塗って床についている。 […]

奇跡の食用油、ココナッツオイル2015年7月13日