Daily Archives: May 10, 2011


 5月8日、WBCウエルター級のタイトルマッチがラスベガスで行われた。今回のタイトルマッチの相手は同級3位のシェーン・モズリーで、元世界3階級制覇のつわものだが、39歳という盛りを過ぎたロートルではパクヤオの敵ではなかった。試合は圧倒的な大差の判定でパクヤオが勝利し、フィリピン国民の喝采とアキノ大統領の賛辞を受けた。 試合の生中継はテレビでは行われず、映画館や劇場などで有料で公開され、料金は最低500ペソとフィリピンでは高額だ。パクヤオにはファイトマネーのほかに、この有料放送の割り当ても手にできる。パクヤオのファイトマネーは3000万ドルで、なんと13億ペソ(24億円)という天文学的数字だ。現在、世界でもっとも高額なファイトマネーを稼ぐボクサーだろう。ちなみにフィリピンでももっともお金持ちの下院議員だそうだ(パクヤオは前回の統一選で地元カガヤンデオロから立候補して当選している)。  パクヤオの試合には、いつも5人のチームがフィリピンから同行し、トレーナーやコックなど、皆、パクヤオが貧しい下積み時代からの親友だ。もちろんチームの頭は妻のジンキーだ。彼女は整形を繰り返して今の美貌を手にしたそうで、フィリピーナのご多分にもれず世界チャンピオンのパクヤオを尻に敷いている。これら5人のサポート・チームも、パクヤオのおこぼれで、もはや大金持ちになっているそうだ。  パクヤオを世界の名ボクサーに育て上げたのは彼の母親で、子供のころから、パクヤオが喧嘩に負けてくると、いかに相手を殴り倒すか、母親が実地指導をしたそうだ。現在、母親は70歳を優に超えるそうだが、今でもボクシングのスパーリングと社交ダンスが趣味の活発なおばあさんだそうだ。 ちなみにパクヤオはかつで大変貧しく、10代でマニラに出てきたときはパン屋で働きながら、ボクシングジムに通った。食事は一日一回で、お祭りなどでボクシングの試合をやって稼いだ。パクヤオが世界戦に勝つと、実家や別荘の50人を超えるガードマンやメイドに数千~数万ペソのボーナスを配るそうだが、今回は、さらに自分へのボーナスとして2百万ドル(1億6千万円)の家をアメリカで買った。 上の写真は合後のインタービューに応じるパクヤオ、パンチによるダメージも全くなくて、まるで試合前のようだ。私がテレビを見る限り、一発もパンチを食らっていなかったのではないかと思う。    

英雄パクヤオの勝利 2011年5月10日


4月8日は息子のバケーションンの最終日だ。前々から、フィリピン最後の夜は残ったペソを全部使ってカジノで運試しをすると言っていた。しかし、この日は台風ベベンすなわち台風一号がフィリピンに襲来し、強い風と雨が降っていた。まだまだ夏で雨季の到来も先の話のはずなのにだ。しかしながら、8時ごろにはいったん雨が止んだので、ヘリテージ・ホテルのカジノに出かけていった。途中冠水したパソンタモ通りを通ったが、タクシーの排気口から水が入ってエンジンがかからなくなってしまった。しかし、こういう状況でフィリピーノは全く動じない。近くの若者を呼んでエンジンの押しがけをして事なきを得た。やはり、フィリピンでは車高の高いCRVやモンテーロなどのSUVに限るとつくづく思った。  カジノでは、もっぱらルーレットで遊ぶのだが、この日、息子ははじめから、カラムと呼ばれるたての列と1~12のいずれも3倍の枠に2000ペソずつかけた。それが両方来て一気に8千ペソの儲けになった。しかし、その後は泣かず飛ばずで4000ペソの勝ちを確保して、はやばやにカジノを後にすることにした。帰りがけに、行きつけのミス・ユニバーサルに寄ってみたが、台風のせいか、客足も女の子も少ない。一方、ここのところ飲みなれないビールを飲んだせいで、息子が腹具合がおかしいというので、ここも早々に引き上げることにした。 タクシーで自宅のあるパソンタモ通りに近づくと、またもや道路が冠水している。ちょっと深そうなので、タクシーの運ちゃんはこれ以上進めないから、ここで降りろという。息子といえば腹具合が悪くて真っ青になっている。運ちゃんは、たまたま通りかかったパジャック(サイドカーつき自転車)をとめて、これでこの冠水した道路を行けという。ちょっと写真が暗くて見ずらいが、自転車のタイヤの半分くらいが水につかりながらでも、若者は必死にペダルをこぐ。もともとたいした距離が残っていたわけではないので、10分ほどで自宅の近くまで来た。やはり最後は人間力だ。息子は、自宅のトイレから出てきたら、幸せそうに微笑んでいた。昨年のホリーウイークでルソン島の最北端のパゴツポッドからラワグにバスで戻る折に、息子が腹痛と下痢で死ぬ思いをしたことが思い起こされる。パジャックの運ちゃんには感謝の気持ちをこめて50ペソを支払ってやった。たったの50ペソと思うかもしれないが、彼らにとっては50ペソ(100 円)は大金のはずだ。

今年一番台風ベベンの襲来 2011年5月10日