Daily Archives: April 2, 2011


3月31日、本年度の終わりのこの日は、KIANの誕生日だ。日本は被災した方々の支援など、まだまだ落ち着いたとはいえない状況で、テレビを見るたびに心が痛むが、今日は失礼してKIANの一回目の誕生日をお祝いさせてもらった。ちなみに、このバースデイ・ケーキはゴールディラックスからたったの 420ペソで買い求めた定番のケーキだ。 朝早く、父親のいとこで客船のシェフをしているという人が助っ人にやってきてくれた。それまで何も準備をしていないので、どうなるのかとやきもきしていたが、12時前には見事な料理が出来上がっていた。優に50人ぐらいの人がたらふく食べられる量の料理がテーブルに並んでおり、さすがプロと感心した。  父親のカーネル(大佐)は制服姿で親子3人の記念写真、KIANも中国スタイルでおめかしをしている。本人は何が始まっているかわけがわからないだろうが、将来写真を見て、多くの人がお祝いに来てくれたことに感謝するだろう。  私としては、KIANが最近箸に興味を示しているので、子供用の箸を近所の日本食材店はっちんから買い求めてプレゼントした。KIANとしてはおもちゃとしてしか認識していないようだが、いずれ器用に使いこなすようになるだろう。父親としてはこんなものを振り回して目にでも入れたら大変と、当面使用禁止令が出されてしまったが。  バースデイケーキのたった一本のローソクを吹き消す段になってもやはりKIANとしては何をしているのかわかってはいないようだ。1年前なんて私にとってはほんの一瞬のようだったが、KIANにとっては目を見張るような成長を遂げており、こうやって種というものが維持されていくのだと思うと、感慨深いものがある。  KIANは体重が13.5Kgもあるので、まだまだ歩けない。最近は歩くことに大分興味が出てきて、つたい歩きや三輪車を押したり、歩行練習に余念がないが、今のところはやはり這い這いで動き回っている。しかしその這い這いもいかにも重量感のある様が面白い。  昼の12時ごろから三々五々、日本人の退職者、ご近所さん、母親の友人、そして国家警察の同僚などがやってきて、料理とワイン、それにパイナップルのジュースなどを楽しんでいた。フィリピン人のパーティと言えば定番のコークやミリンダなどのソフトドリンクは、我が家ではご法度だ。そういえばあの甘いスパゲッティやパンシット・マラボンなども見えず、肉主体の高級な料理が並んでいた。野菜料理はたったの一皿だけだった。 夜の9時ともなるとKIANは寝てしまい、駐車場でエンドレスの飲み会が始まった。ちなみに、この飲み会は深夜2時まで続いたそうだ。そして、あれだけあった料理もほとんど片付いてしまったようだ。  子育てのいうのは、最近日本では仕事や楽しみを奪うなにか人生の負担のようなニュアンスで語られているが、KIANを眺めていると、子育ては人間としての幸せであり、人生を充実させる、もっとも重要な要素であるとしみじみと感じる。フィリピンでは、女にとって子供を作ることがもっとも幸せで、強い願望であるとされ、若い女は子供を作ることをいつも夢見ている。金や仕事のことなどは二の次だ。ここでは、何か人間本来のものが活きていて心強く感じる。

KIANの誕生会 2011年4月2日