Daily Archives: March 23, 2009


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 マカティ在住の退職者が美人局の被害に遭った。以下その方のレポートだ。  3月12日夕方5時ごろ、マカティのグリーンベルトの噴水付近で休んでいると、二人の若いフィリピーナに声をかけられた。「今、何時?」から始まって、コーヒーショップでお茶を飲むことになり、後で考えると実に巧妙に誘われた。10月には交換留学で日本に行くことになっている女子大生という触れ込みで、もう一人の女性は同じ部屋に住んでおり、今日が誕生日だという。 家で誕生パーティをやるから一緒に来ないかと誘われ、食材とビールを買ってカラオケなどを楽しんだ。ひとしきりすると一人が誕生ケーキを買いに行くといって出かけ、女子大生と二人きりになった。  街までケーキを買いに行っているから1時間は帰らないと、件の女子大生は執拗に誘ってくる。悲しいかな男の性で、段々その気になってくる。女子大生は言うことを聞かないせがれをたくみに奮い立たせ、丁寧にコンドームまで装着してくれて、行為に至った。その後、彼女はやたらと痛がり、トイレの便座は鮮血で不自然によごれていた。やがてケーキを買いに行った女性と、さらに別の女性が現れ、女子大生を慰めていた。その間女子大生は私に腰をさすらせて、その震えを感じさせるという迫真にせまった演技だった。  さらに女子大生の兄という男が現れ、妹は18歳のバージンで、自分はポリスだと脅された。さらに年の行った女性が現れ、今から病院に連れて行くから手術代が50万ペソかかるという。パニックに陥っていた私はクレジットカードで35万円(17万5千ペソ)分の支払いを薬局で決済してしまった。その後、撮ったはずの彼女らの写真が私のカメラから削除されていたので、騙されていたことに気がつき、クレジットカード会社に連絡を取って決済を中止するよう依頼して、幸いにも金額的な損失は免れた。 退職者が被害にあったグリーンベルトの噴水付近  こんな見え透いた詐欺にまさか自分がひっかかるなんて、思いもよらなかった、振込め詐欺もきっとこんなものなんだろう、というのがこの退職者の感想だ。いざ渦中の人となると自分を見失ってしまうものなのだ。次に、別の手口をアンヘレスのホテルのガードから聞いたので紹介する。  某国の退職者が街で女性と知り合いになり、ホテルに連れてきた。18歳ということなので中に入ることを許したが、その直後に警官が現れ、18歳未満の少女にセクハラをしようとしたということで、退職者を逮捕してしまった。少女は16歳で、理由は何であれ、18歳未満のアンダーエイジと行為に至ると犯罪である。退職者は示談ということで10万ペソを支払い釈放してもらったが、これは明らかに警官と16歳の少女がぐるになって仕組んだものだ。  だからホテルのガードは同伴の女性にはIDの提示を求め、18歳以上であることの確認と身元を調べる。一見面倒くさいが、顧客をこの手の犯罪から守る重要な役割なのだという。  そもそも、この年になってこと女に関していい話があるはずがない。100%金が目当てだ。しかも法外な金額だ。ならば、その手の店でリーゾナブルな対価を払って一時のアバンチュールを楽しむべきだ。ホテルのガードも、「素人は危ない、店で買ってくるのがもっとも安全」と言っていた。いざとなったらお店にクレームできるし、お店が厳しく管理しているから問題ないというのだ。お店がバーファイン(連れ出し料)の半分以上取ることが搾取以外の何物でもないと思っていたが、それも安全のためのコストと思えば高いものではないのかもしれない。

美人局にご用心2009年3月23日