Monthly Archives: July 2006


フィリピン人特有の観念を表す言葉“パキキサマ”を紹介する。付和雷同とでもいうのだろうか。組合のストライキなどで色々調べてみると誰も特にストライキをするほどの不満があるわけでもない。ほんの一握りの人間がこぶしを振り上げているに過ぎず、他はその流れに従っているだけ。村八分になるのが怖いから、声の大きいもののいうことに従っているに過ぎないということが多々ある。ただ、あまり、たいした問題でない場合はとりあえずみなの意見に従っておくのが、この国で生きていくすべかも知れない。

フィリピーノ気質 パキキサマ


賄賂は悪という観念があるが、フィリピンでは少々ニュアンスが違うようだ。なにかやってもらったら心づけを払う、感謝の気持ちを表すもので、いくばくかのコミッションをやることは、社会生活をうまく送る潤滑油のようなもののようだ。人になにか頼んで、それが少しでも助けになったら、少しでいいから心づけをあげること。喜んで受け取ると思う。そして次はもっと一生懸命手伝ってくれるだろう。でもあまりやりすぎないこと。次にもっと期待されてギクシャクしてしまう。 これが、役人が当然行うべきことをやるのにコミッションをとるということにつながってフィリピンの役人を堕落させ、政治を悪くする原因になっているようだ。もっと役人の給与を上げて、役人が賄賂を取らなくても十分生活できるようにすることがフィリピンをよくする近道だと思う。大統領の給与が月々10万ペソそこそこでは他は推して知るべしだ。

フィリピーノ気質 何が何でもコミッション



フィリピンでは金は力、力は正義、警察も裁判も金次第といわれている。なんと言っても金の力は偉大だが、その使い方が肝心です。やたら札びらをひけらかしたら嫌われる。うまく使うことだ。金を持っているように振舞っても決して使わない、といった工夫も必要だ。やたらばらまいたらすぐになくなってしまう。ここといったところで有効に使うことだ。本当に困っているときに助けてやったら、一生に恩にきて頼りになる友達になるだろう。

フィリピーノ気質 金は力・力は正義


マニラの街をあるいていて気がつく事だが、歩行者が道路を渡ろうとしていても車は絶対に止まらない。信号が変わったから、止まるであろうという気持ちで歩き始めると車が脇をすりぬけってヒヤットすることが多々ある。“車は絶対止まらない”なのです。一方運転していて歩行者がいるからといっていちいち止まっていてはいつまでたっても前に進めない。後ろの車からもブーブーと警笛を鳴らされる。だから、歩行者がいても止まってはいけないのだ。

フィリピーノ気質 車は絶対止まらない



ハムラビ法典かなにかに“目には目を歯には歯を”という言葉があったと思うが、これがフィリピンでも通用している。車を運転していて人をひいてしまったら、まず逃げることだ。誰が悪かろうが、ひかれた人の家族や近所の人に袋叩きにされる。まず逃げて、それから誰か頼りになるフィリピーノを連れて警察に行くことだ。たとえ殺したとしてもたいした金銭的負担にはならない。なまじ生きていると治療費がかさむのでもう一度ひいて殺してから逃げろという人もいるが、それはちょっとできない。また、仏心を起こして助けようなどとすると、自分がやられてしまう。ほっておいても誰かが助けてくれる。その辺の協力体制は目を見張るものがある。但し、マニラのような都市ならば事情は違ってくる。たくさんの目があるから、袋叩きに合うこともないだろう。

フィリピーノ気質 ひいたら逃げろ


フィリピーノ所有意識というのは少々理解しがたいところがある。俺のものは俺のもの、人のものは俺のもの、といった感じで、いったん貸したら、すぐにでも返してもらわない限り、なんとなく所有権が移ってしまう。当面住まないからといって、好意で、しかも只で自分の家に住まわせてしてやって、何年かして使うから出て行けというと、いやだと言い出すのだ。強引に追い出すと一生恨まれる。しばらく使ったり、住んだりしていると、頭の中でわかっていても感情的に自分の物という意識が強く沸いて(アキンナアキン)、なんとしてでも自分のものにしようとするのだ。 もし誰か家に住ませてやりたかったら、アパートを借りて住まわせる事だ。いやになったら、家賃を払わなければ彼らは出て行かざるを得なくなる。要は追い出す手間を他人に押し付けるのだ。自分の家に住みついてしまった人間を追い出すのは容易なことではなく、命の危険さえ生じてくる。 借金も投資も同じことだ。フィリピーノの儲け話に投資して配当をもらったとか、元金がちゃんと戻ったという話しは聞いたことがない。投資イコールくれてやったということだ。決して見かえりを期待してはいけない。 金を貸してやって、返してくれといったら、これまた恨まれる。貸す時はくれてやったと思ったほうがよい。くれてやっても惜しくない範囲で貸すことだ。もし、本当に返してもらわなければ困る場合は、きちんと借用書を作成し、街の弁護士に認証(Notarize)してもらっておくことだ。あとで裁判に訴えることぐらい覚悟しておいたほうがよい。 なにかを与えたあと、さぞ感謝していると思うと、さにあらず。もっとくれといってくるのが彼らだ。ずるずるやっているとけつの毛まで抜かれる事になりかねないので、いい加減なところでだめと、カチっと申し渡す。ワラナペラ(もう金がない)とか、言って。それでも決して恨まれる事なく前と同じように仲良くしてくれるだろう。フィリピン人妻の家族へのお金の融通もおなじことだ。限度を決めて、これだけといって毅然とした態度で臨むことだ。 一方、家族の中では何でも共有だ。スリッパや服や、はては歯ブラシまで夫婦では共有だ。フィリピン人妻があなたの歯ブラシを使っていて、文句を言ったら、愛していないのと食ってかかってくるだろう。日本食などを自分の部屋に置いておいておいたら、旦那はセルフィッシュだと家族中の総スカンを食うのは目に見えている。だから、結婚してから入手した家屋等の財産は法的にも全て夫婦共有なのだ。これはフィリピーノの所有意識を法的に保証したものだと思う。

フィリピーノ気質 人の物は俺のもの



フィリピーナは年の差なんて気にしない。愛が全てなのだ。中年あるいは熟年の男性が二十歳前後の女性と恋に落ちるのは珍しくもなんともない。我々にもまだまだ大いにチャンスがある。日本の若い女性のように中年の叔父さんをおもちゃにすることもない。その代わり本気だから、怖いこともある。当然、結婚するとか、子供が欲しいということになってくる。 ちなみに処女の値段はハウス アンド ロット(土地つき住宅)といわれる。それにファミリーの面倒をみるのは当然のことだ。避妊は罪、堕胎は犯罪。ついでにレイプは死刑だ。良く覚えておいてほしい。家を建てて一緒に住むのはいいのだが、その後、仲たがいしたから、家を返せとか、いっしょに住んでいた家から出て行けなどということは考えないほうがよい。そういう仲になったものならば、いっしょに住んだ時点で彼女のものと考えたほうがよい。だから、大きな家を建ててやる必要はない。自分の財力のゆとりの範囲で与えられるものをやることだ。郊外なら300万円も出せば十分満足してもらえる家を買うことができるだろう。 いい関係が長続きして一生添え遂げられればハッピーなのだが、なかなかそうはいかない場合も多いようだ。それは日本とフィリピンのカルチャーの相違をいかに乗り越えるかにかかっている。関係が破綻したときの財産の取り合いはみにくいものだ。だからはじめから与えられる範囲のものを与えてしまうのがいい。たとえ関係が破綻したとしても後の生活が成り立っていけるような準備をした上で結婚に踏み切るべきだ。 ちなみにフィリピンでは男は女の下僕だ。男は女に尽くすのが美徳であり、喜びなのだ。他人同士である場合は、もちろんボスと秘書、あるいは客とGROの関係かもしれないが、愛し合ったあと、あるいは端的にいうとセックスした後では話が違う。母親が幼い我が子を慈しむようにフィリピーナを愛せなかったら、結婚など考えないほうがよいだろう。ちなみに家庭内では料理は男の仕事。妊婦はクイーンだ。もちろん例外もあるが。 フィリピンでは基本的に離婚はご法度だが(離婚という制度がない)、日本人は可能だ。フィリピンでの結婚は日本の戸籍に入れないと正式とは言えず、逆に戸籍から抜いてしまえば離婚ということになる。しかし、その離婚をフィリピンで成立させるためには容易でない手間隙金がかかる。

フィリピーノ気質 フィリピーナ フィリピーナされどフィリピーナ


フィリピーノはボス次第といって、よしも悪しきもボスの真似をする。ボスがだらしなければみなだらしなくなる。だから、いつも先頭に立って見本を見せることが肝心だ。また、トップダウンの国柄だから、下から色々提案があって、自然に物事がうまくいくなどということは期待してはいけない。わからないことがあって部下に相談しても、最後はボスの決定として命令することが必要だ。

フィリピーノ気質 フィリピーノはボス次第



フィリピーノを使うコツはキス・キック・キスだという。文句を言いたいときはまず、最近良くやっているねなどとやさしい言葉で初めて安心させて、こちらの話を聞く気にさせる、そしてまずいところを徹底的に責める、そして最後にまた、期待しているからね、がんばってね、とやさしい言葉をかけるのだ。はじめから責めて、責めて、責めまくると、悔しさ以外なにも頭に残っていないものだ。 何かの弾みでフィリピーノを怒らせてしまったら、甘い言葉、やさしい言葉で攻めてみてほしい。こっちもいっしょになって怒ってはいけない。しばらくするとシゲナガ(まぁしゃーないか)といって機嫌を直して前よりもいっそう仲良くなれる。

フィリピーノ気質 キス・キック・キス


フィリピーノの部下に何かやらせると、いつまでたってもウンともスンともない場合がある。聞いてみると、わからないから机の中にしまったままだという。彼らは恥ずかしくて“わかりません”と言えないのだ。また一度聞いてわからなくても聞き返さない。それはボスに対して失礼なことなのだ。したがって、何か頼んだときは、こまめにフォローする必要がある。しつこくてうるさいことをマコリットといって嫌われるが、ボスは部下に対してマコリットでなければならないのだ。また、女の子を食事に誘ったりする場合、3度は誘ってほしい。一回目は必ず断られるが、これは、一回でOKするのがはしたないことだからなのだ。3度誘ってだめなら、本当にいやなのだ。一回で止めると、本当は行きたかったのにとうらまれる。3度以上だとマコリット(しつこい)と嫌われる。

フィリピーノ気質 マコリット