銃弾所持事件で空港の権威が失墜 2015年11月30日


11月、世間を騒がせたのが銃弾所持事件だ。多くの旅行者が銃弾を保持していたということで空港の検閲で逮捕、送検された。旅行者ばかりではなくて、出迎えに来た人まで、手荷物検査で銃弾が発見され捕まった。

ほとんどの人は実際に銃弾を所持しており、お土産、あるいはお守りのために常時所持していたものだった。通常、ナイフなどを所持していた場合は、没収となるだけだ。しかし、銃弾となると、悪質とみなされた場合、送検される。例え送検されなくても数時間の足止めを食らい、旅行が継続できなくなり、大迷惑だ。なかには、自分は銃弾など所持していない、空港職員が隙をみて荷物に紛れ込ましたものだと主張した。その目的は、荷物検査で銃弾を発見して、それを見逃す代わりに何がしかの謝礼を要求する手口だ。

私も、息子からプレゼントされた小さめのアーミーナイフを常にポシェットに入れて所持していた。そのまま飛行機に乗ろうとして、検査に引っかかってしまった。離れたところに連れて行かれて、ポシェットの中を開けるように要求され、アーミーナイフが出てきた。その時、頭をよぎったのが、お金を渡して見逃してもらう手だ。1万円はする代物だから、500ペソくらい払っても痛くない。しかし、躊躇している間に没収されてしまった。そのあと相棒のジェーンに相談したら、すぐに件の空港職員を呼びつけて、探すよう指示し、10分くらいで出てきて、500ペソ支払って返してもらったが、さすがジェーン姉御だった。大分前には爪切りをとがめられて500ペソを支払ってことがある。この爪きりは20年位使っているドイツ製の一品で私の宝物の一つだったのだ。

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ターミナルの外は旅行客および出迎え人でごった返す。中にはカバンをテープでぐるぐる巻きにしている人もいる

荷物検査で危険物が出てきた場合、それを見逃す代わりに金銭を要求するのは日常茶飯事で、空港検査員の貴重な収入源だ。そのため、銃弾を旅行者のカバンに忍び込ませて、それを荷物検査で発見し、金銭を要求するというマッチ・ポンプの疑いが庶民の間に広がった。空港警察と空港職員がぐるになっての犯行ということで、空港職員と警察の権威が失墜し、話は、大統領まで上っていった。この事態に、司法省が検事を送り込んだり、事件の再発を防止するために大幅な空港警察の増強が行われた。

CIMG3519s-2ターミナルを巡回する警察官はどういうわけか若手で、悪しき風習にしたっていない若者を起用しているようだ。

しかし、空港警察員が増えると庶民は、さらに恐れをなすという悪循環となり、空港職員は無実を訴えて集会を行い、大統領は、フィリピンの空港は安全という宣言を行って、観光客の減少を食い止めようとしている。

空港に行くと荷物をテープでぐるぐる巻きにして銃弾を紛れ込ますことができないないようにしている人も目立った。また、空港内の待合室に入るためには荷物検査があるので、中に入らないで外で待つ人も目立った。庶民は、警官が銃弾を荷物に忍び込ませて、検査員が発見して金銭をせびるという話を信じて疑わない。

 

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