空港スカイウエイが完成 2017年4月29日


ここ2~3年、マニラ空港(NAIA)へのアクセスは惨憺たるものがあった。距離的には近いのだが、空港周辺の道路は24時間渋滞し、いつ空港へつけるか、あるいは、いつマカティやマニラのホテルにたどり着けるかは神頼みだった。それは南ルソン高速道路の上を走るスカイウエイを空港の第一(国際線)、第2(PAL専用)、第3(セブパシフィックと全日空など)、さらに第4(国内線専用)ターミナルに直結させるための工事が行われてたためだ。同時に空港からマニラ湾の埋立地に計画されているエンターティメントシティにも直結させようとしていた。それがついに完成したのだ。先月通った時は、空港からスカイウエイへの接続だけが未完成だったが、ついに100%の完成をみた。

第3ターミナルと既存のスカイウエイの接続点も完成して、いよいよ全面開通となった(ターミナル3への出口付近)

 数年前、スカイウエイに近いターミナル3からマカティまでは15分でいけるという、世界でも一番都心に近い空港と思っていた。しかし、空港スカイウエイの着工で、ターミナル3でさえも渋滞を見ることになった。今回の空港スカイウエイの完成で、すべてのターミナルにマカティから20分程度でいけるようになった。しかも途中、見苦しい街並みを見ること無しにマカティに行けるので、初めてフィリピンを訪れる外国人にとって、フィリピンの印象を格段に向上させることになるだろう。さらにターミナル3からは歩いて対面のニューポートシティにいける歩道橋ができた。

ターミナル3の対面のニューポートシティにはあるいて行ける

ターミナル1、2とマニラ湾方面のとの分岐点

マカティからスカイウエイ経由でターミナル3まではたったの20ペソ、そしてその後、ターミナル2,3、さらにエンターティメントシティまでは45ペソと高速料金も格安だ。数十億はかかったろうと思うが、この料金で資金を回収できるのか疑問を感じるが、安いに越したことはない。

スカイウエイからは空港の中が見える

空港からマカティまではこんな景色を眺めながらいくことになる

 空港からエンターティメントシティないしマカパガルBLVD(通り)を目指すことになるが出口は、巨大カジノであるCity of Dreamsと完成間近いOKADA Manilaの至近距離にある。これは、それらのカジノから相応の資金が提供されているのではないかと推測される。ちなみにOKADA Manilaは4000億円の巨額投資がなされているそうで、そのピラミッドのような威容には度肝を抜かされる。

マニラ湾岸には巨大カジノCity of Dreamsが営業しているが、スカイウエイの完成で空港から10分程度でいけるようになった

エンターティメント・シティのシンボルとなるOKADA Manilaも完成が間近い

 しかし、問題は既存のスカイウエイの終点であるマカティの出口だ。現在、北ルソン高速道路と南ルソン高速道路を直結させるマニラ縦断のスカイウエイが建設中だが、スカイウエイの末端の出口(ブエンディア通り付近)は万年渋滞で、下を走るオスメニア通りは24時間地獄の渋滞の様相を呈している。空港から都心を目指す時はスカイウエイの末端まで行かないで、手前のドンボスコ、あるいはアモーソロの出口で下りることが肝心だ。この状況はあと2~3年はかわらないだろうが、特に朝のラッシュアワーは、車の列がスカイウエイの空港への分枝点あたりまで続いている。

マカティへの入り口、オスメニア通りは24時間渋滞が絶えない

 1990年代はスカイウエイの第一期工事でマニラ南部のベッドタウンに通じるサウス・スーパー・ハイウエイが万年渋滞だった。そして2000年代前半はアラバンの先のサウス・スーパー・ハイウエイの拡幅工事でマニラの南の近隣県への交通がマヒ状態だった。そして2010年代になるとスカイウエイの第2期工事で再びサウス・スーパー・ハイウエイが万年渋滞。今度はマニラ縦断スカイウエイの工事で万年渋滞。一方、地下鉄計画も浮上しているが、インフラ整備と車両の増加とのいたちごっこに終止符が打たれる時が果たしてくるのだろうか。

一方、ようやくマニラ空港(NAIA)へのアクセスが全うになったと思ったら、マニラ湾を埋め立てて新空港を作るとかいう新計画が浮上している。かつてはクラークが第2空港の役割を果たすために首都圏とクラークを高速鉄道で結ぶ工事が着工されているなどといううわさもあった。なにか足元を見ないで夢だけ語っているように聞こえてならない。

 

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