雑記帳 フィリピンは、本当に貧乏?


日本人の大多数がフィリピンは貧しい、貧乏人の国と思っていると思う。しかし、私は、その意見に異を唱えたい。日本に報道されるニュースは悪いニュースばかり、かつてのスモーキーマウンテンや東洋一のスラムと言われるトンドそしてジャパ行きさんはこぞって取材の対象となった。私の知っている限り、フィリピンの姿を比較的正しく描いたのは、“課長島耕作、フィリピン編”くらいだろうか。

確かにフィリピンにはその日の糧にも困る貧乏人がひしめいている。国民の60%は困窮状態にあるともいわれる。しかし、フィリピンの国民の10%を占める上流階級は、フィリピンの富の90%を保有するといわれ、彼らの住む、高級ビレッジはその規模と豪華さで圧倒される。マカティのフォルベスパーク、ダスマリニャス、ウルダネッタ、アラバンのアヤラアラバン、ケソンのニューマニラ、等々の高級ビレッジを覗いてみると、これだけの数の豪邸をいったい誰が保有しているのか、いったいどんな人が住んでいるのか、と首を傾げたくなる。

これらのビレッジは一般の人の入門を禁止しているから、こんな世界があるなんてフィリピン人でさえも知らない人が多い。ビレッジの内部が外に報道されることもない。ビレッジの管理者が報道規制をしているのだろうか、もちろん海外のメディアで報道されたという話は聴いたことがない。

企業の駐在員ということで、このようなビレッジに暮らす機会があったのだが、そこは、まさに外部のフィリピン人社会とは別世界だ。ビレッジといっても、その大きさはゴルフ場がその一部となっているくらいの規模なのだ。高校や大学もビレッジの中にあり、住宅の値段もここの人にとっては天文学的数字だ(1億円~2億円)。

私は、ひょっとするとここに住んでいるような人達が本当のフィリピン人なのではないかと思うことがある。政治、経済、社会すべてをこの人たちが動かしているのだから。ではどういう人たちなのだろうか。頭がよくて品性と人格があり、そして当然金がある。さらにどういうわけか美男美女でもある。彼らは国の状態を憂えるのだが、自分の財産をなげうってまで国を救おうとはしない。なぜなら、このような低賃金で働く多くのフィリピン人があってこそ、彼らの富が維持されるのだから。

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