ダイアッパー(紙おむつ)に苦言2009年2月6日


 日本でもフィリピンでも最近はオムツを干しているという景色を見ることは無くなった。ほとんどが使い捨ての紙おむつを使っているせいだ。一回使っただけで捨ててしまうというのはいかにももったいない。それに使っている紙の量も相当のものだ。

 この紙おむつを一個作るのにどれだけの木材も必要とするのだろうか。木を大量に切って一回使って焼却してしまうなんて、地球温暖化を進める元凶だと思う。そもそも紙おむつなど無くても昔ながらの木綿の生地でやれば何度でも洗って再利用ができるのだ。フィリピンでは子供のしつけに熱心ではないから、2~3歳になってもオムツをしている。一日3枚x365日x3年間=3285枚の紙おむつが一人当たり消費されることになる。このために何トンの材木が必要で、何トンの二酸化炭素が発生することになるのだろうか。

 一方、2歳になる子供に母乳をあげている母親が知り合いにいる。びっくりして聞いてみるとフィリピンでは当たり前という。さらに幼稚園に行ってもほ乳瓶でミルクを飲むのが普通だそうだ。日本ならば6ヶ月位から離乳食を取り始め、1歳位でミルクはやめているはずだ。3~5歳になってもミルクから主な栄養を取るなんて子供のために良いはずが無い。米や肉・魚そして野菜などを良く噛んで食べて栄養をとることにより始めて健全な成長が図れるのだ。

 お金が無いことを象徴する表現に「ミルクもオムツも買うお金がない」という言葉を耳にするが、上記の背景を見ると「馬鹿にするな」といいたくなる。子供のしつけを怠って3歳にもなってミルクを飲んでオムツを使っている。しかもお金のかかる粉ミルクと紙おむつだ。それでお金が足りないなどとは言語道断だ。「子供のため」といえばおおいに同情を買ってなんでも通るのがフィリピンだが、これだけは許せない。実は子供のためではなくて、母親の怠慢のせいなのだ。普通の食事をしていればはるかに少ない費用で栄養はとれるはずだ。

 しかも紙おむつは水分をよく吸収するので、おしっこをしても気持ちが悪くないそうだ。だから、平気でおしっこを垂れ流し、コントロールすることを憶えにくい。そのためいつまで経ってもオムツ離れしないのだ。3歳になってもおしっこをコントロールできない子供なんて将来が危ぶまれるというものだ。もっとも介護用オムツや忙しい母親の手間を省くという観点ではこの紙おむつも多いに利用価値はあると思う。

 話は違うが、フィリピンの米作りは堆肥を使わない。すべて化学肥料だ。ワラや籾殻は燃やすか捨ててしまう。堆肥などの有機肥料は畑を肥やしおいしい作物をつくるために必須だと思うのだが。さらに養鶏・養豚やテラピアの養殖などにも配合飼料を使う。この飼料が案外高くて、売値のほとんどを占めてしまう。昔、農家の人が豚の飼料に残飯を集めていたのを覚えているが、フィリピンではそんな面倒くさいことはしない。残飯は捨て、鶏や豚の糞もただごみとして捨てるだけだ。農場では、ワラやもみ、鶏や豚の糞は貴重な資源だと思うが、ひたすら廃棄物として処理される。

 紙おむつや粉ミルクそして肥料や飼料、その共通点は何か。すべてお金持ちの経営する大企業の製品だ。テレビなどでも盛んに宣伝され、それを使わないと時代に取り残されていると錯覚してしまうのだろうか。だから3度の食事もままならないのに、粉ミルクと紙おむつを買って子供に与え、農家は借金をして肥料や飼料を買い、収穫のほとんどを借金の返済にあてることになる。だからフィリピンでは、金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はいつまでたっても貧乏なのだ。

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *